何年か前にシリコンバレーのベンチャー企業の創業CEOが来日したときに「富士山に行きたい」と願っていた。仕事で用事のある都市は東京と大阪でありオフの日はなしの予定でどう考えても富士山は無理だと説明した。そもそも休みがあったとしても過酷な富士登山をしては仕事に支障が出る。ビジネストリップで来日したときの富士登山は現実的ではない。そのCEOは大変残念がっていたが無理なものは無理だった。その時に思ったのは富士山は自分が感じている以上に外国人の人たちには魅力的な観光スポットなのだということ。確かに富士山の写真を見ただけで「フジヤマ!」と分かる外国人は少なくない。逆に日本人で海外の山の写真を見ただけでそれがなんという名前の山なのか分かる人はそう多くはないはずだ。
円高がだいぶ是正されていて今や103円超え、まだまだ120円には遠いがそこまでは必ず持っていくべきだ。とは言え、以前の77円なんて異常な数字に比べれば日本企業の多くが一安心な数字にはなってきた。1ドル80円でも利益を出せていた日本企業が凄いのだ。できれば140円くらいまで行ってもらって日本人の多くがやっている仕事に見合った高収入を実現できる世の中になって欲しい。日本人はよく働いているし真面目に生きている。その姿勢に見合った豊かな生活があったって罰(バチ)は当たらない。
そしてこのところの円高是正でミジンコの日本に滞在中の外国人の友人たちが家族を日本に招きやすくなったようだ。日本へ単身赴任状態のミジンコの部下たちも結構いてそういった日本で働く外国人たちが母国から奥さんや子供たちを日本に招いて観光をさせたといった話をよく聞くようになった。ミジンコもタイミングが合えばランチなどにご家族一同を招待している。以前は寿司や蕎麦屋でごちそうすることが多かったがお好み焼き屋もすこぶる評判が良いことに気がついた。子供たちが鉄板で焼く作業を嬉々として楽しんでいるのだ。基本、どこに連れて行ってもハズレがないのが日本ならではだと思う。どの飲食店でもお土産が買えるような人気スポットでも本当に外国人の人たちにしてみると全てが興味深くて楽しいようなのだ。
まだ海外に慣れていないときの自分もこんな感じだったっけかなぁ?と思い返してみるものの、治安が気になってしまうことが先に来ていたし、そもそも食べ物に関しては美味いマズイ以前に衛生面が気になってしまう始末だったように思う。それに「まずは相手を騙そう」という姿勢の人々が観光地にそれほどいないであろう日本と、常に気を張って周囲に警戒しなければならない海外の有名観光地の数々とでは比較以前の問題がある。以前にイタリアの観光地で有名店ですら日本人をボッタクっていて市長が謝罪までした事件があったが後先考えずに目先のお金に目が眩んでリピーターになるやもしれない観光客を食い物にする観光地と「もう一度行きたい!」と思わずにはいられない超親切が当然である日本の観光スポットとでは将来性に格段の差がある。自分を含めて「もう二度と行きたくない!」と海外の観光地を評する声はそう珍しくないのではないだろうか?お金を払って行った海外の地で酷い目にあったといった話だ。対して日本の観光地では先ず存在しないのが強盗やひったくりやボッタクリだ。外国人観光客を騙して何十年も荒稼ぎなんて話を聞いたことがない。海外の観光スポットではよく聞く「あそこはヤバい」といった話がそもそもこの日本の観光地では皆無なのではないだろうか?「犯罪がない」ということが日本人にとっては観光地としてのウリになるというのも違和感があるだろうが実際それは大きなウリになるはずだ。例えば大人気観光地のニューヨークはミジンコにとっては安全で安心できる街なのであるが友人・知人がニューヨークにいるというだけで心配にはなる。東京にいる友人が出遭わないであろうことにニューヨークでは・・・・・という思いがあるからだ。
日本観光の良いところして食事が美味しいとか四季折々の美しい景色が楽しめるなどなど良いところはたくさんあるわけなのだけれど、結局のところは人が親切だということが最高に良い点ではないかと思う。言葉が通じなくてもなんとか助けようとする現地人なんてそうはいない。その世界ではそうはいない人がほとんどを占めるのが日本人だ。テレビ番組で抱えていた沢山のオレンジを落とした人を周囲の通行人たちが助けるか?という実験を世界各国で実施。ほとんどの国では助ける人たちはそう多くなかった。なにかしらのトラブルに巻き込まれることを避ける傾向があるからだ。日本では違った。20回中20回、つまり20回全ての実験において助ける人が現れたのだ。落ちている財布が交番に届く国ニッポン、この民度の高さ、これは観光地として最強の武器になる。
円高是正で外国人観光客がやっと日本で買い物をたくさんできるようになった。本当にやっとだ。今まで観光に来ていた外国人観光客たちは日本の物価の高さに絶句していた。日本のド貧乏学生よりも質素な食事をして帰っていく観光なんて悲劇だった。ミジンコが海外にいるときに「これ安すぎるよなぁ?」と感じるとき、それはイコールして「日本は大丈夫か?」という気持ちが強かった。余りにもアンバランスな為替レートであったので日本からなにを輸出しても儲けようがないような気がしたのだ。そりゃあっち(米国)で日本の1/3のガソリン代でクルマを運転し半額以下のジャンクフードを食べればそんな気持ちにもなる。オレンジジュース1ガロン(約3.8L)を2本で5ドル(←日本円で400円くらいのとき)で買っていたのだ。日本じゃコンビニでちょっとの食べ物と飲み物で400円では足りなかった。アメリカ人が日本に行ったら卒倒するんじゃないかと思っていたし、実際、日本に赴任したアメリカ人たちは民主党不況時代の為替レートに焦っていた。
日本の外貨獲得の柱は勿論のこと輸出産業ではあるのだけれど、観光による増収は馬鹿にならない数字になっていくはずだ。お世辞にも外国人に優しいとは思えない国々が政府からして観光を国の柱にしようとしている場合を多々見かける。敢えて国名を言えば、反日デモを政府がコントロールしている中国、日常的に反日をしている韓国、日本人観光客に数々の非礼の限りを尽くしてもそれでも日本人観光客を呼び寄せようとしているオーストラリアなど、日本人からしてみれば「ふざけんな!」といった国々でも観光収入は喉から手が出るほど欲しいのだ。不人気で性格悪い奴等が友達作りをがんばっているようなものだ。世界的には客観的に見ても人気国である日本こそが観光をがんばるべきだろう。元々、日本が好きな人々は世界中に多いのだ。そんな人々を日本人のデフォルトとも言える「親切」でお迎えすれば観光大国ニッポンの出来上がりだ。観光客を呼び寄せるのに、なにもオリンピックなどのイベントがどうしても必要なわけではない。「親切」、これで十分に日本へのリピーター観光客は増えるし、クチコミ効果も絶大だ。
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