本日の安倍総理のアベノミクス第3の矢として表現した「民間活力の爆発」の具体的なイメージがまったく伝わってこなかった。規制緩和やらなにやらやろうとしていることは漠然と説明していたが「で?民間活力がどう爆発するの?」というのが率直な感想。この安倍総理の演説直後から株価が200円も急落したことは市場も安倍総理の演説に失望したということだろう。
安倍総理、実のところ最近のあなたにはいささか失望している。他の自民党議員の多くよりは安倍総理はずっと献身的に日本のために働いているとは思うがどうにも理解できない決断も目立つ。それらを挙げたい。特にミジンコが安倍政権に不信感を抱いている点だ。
1. 消費税率を上げる計画を今もって撤回していない。
スティグリッツが来日して述べていたように「消費税は最悪の税金」だ。経済成長を止めるトドメのような税の税率を更に上げるなんて愚挙は絶対にするべきではない。これだから自民党は信用ならない。そもそも昨年の夏に谷垣前総裁が消費税増税ではなく民主党の解散を選択する行動を取っていれば今の日本は既に景気回復の真っただ中だったことだろう。あの時に解散していれば安倍政権が決めた予算案で既に日本が動いていたはずだ。ところが自民党まで消費税増税に賛成するものだから民主党の解散は野田ブチ切れ解散、そして総選挙は12月にまで延びてしまった。景気回復を遅らせ、更に増税案だけは堅持する。これでは自民党も国民の味方とは到底思えない。そもそもミジンコは自民党議員を含めた友人・知人に言い続けていることがある。「自民党議員で本当に国民から人気があるのは僅か数名。他の議員たちの人気も評価も実際のところは民主党と大差がない。」自民党には不愉快な発言だろうがこれが事実だと確信している。おごるな自民党!ということだ。
2. 渡辺美樹・ワタミ会長を参院選で擁立。述べたいことを全て言えば本が1冊書けるほどだ。これほど自民党が支持者を裏切る行為もそうはない。安倍総理自ら渡辺会長にオファーしたとか。愚かだ。この決断は愚かだ、安倍総理!安倍総理は日本をいったいどうしたいというのか?ワタミグループのような事業形態、従業員雇用形態を安倍政権がアベノミクス成功後のスタンダードモデルとしたいのであればミジンコはもう日本とはおさらばしたい。はっきり言ってこの件だけでも自民党への協力・支持はもう止めようかと悩んでいるところだ。自分が求めている企業のあり方とワタミ・グループとではまったく別の世界だ。安倍総理、嫌味を言わしてもらうならばあなたは1度体調不良で首相の座を投げ出した。そういう態度が微塵も許されないのがワタミ・グループだとは考えなかったのだろうか?体調不良すらも許されない。死ぬまで働けと言われても安倍総理、あなたがそれをやれない人じゃないか!それなのに国民には過酷な労働条件を受け入れろというのか?そんなことは断じて許されない。従業員たちが過労死寸前にならずとも企業は営業利益を上げられるし成長もできる。アベノミクスは企業になにを求めているというのか?まったく安倍総理の企業に求めるビジョンが見えてこない。一度失敗した後に国民からセカンドチャンスを与えられた安倍総理が国民の圧倒的多数から拒絶されている労働環境・雇用形態を継続するワタミを支持するなんてどうかしている。むしろ日本国首相としてワタミ・グループのやり方を批判し是正するのが安倍総理の務めのはずだ。そんな企業と仲良くなってどうするんだ!
3. クール・ジャパンなんて計画は税金の無駄使いだ。安倍政権はAKBのCD販売手法の最高責任者ともいえる秋元康に500億円もの予算を組んだクールジャパン計画を任せている。馬鹿げた決断だ。AKBグループは米国ではまったく浸透せず人気もないというのにAKBのメンバーの写真がデカデカと貼られているバスなどがアメリカを走っている。あれで日本がクールだからもっと日本のものを買おうだの日本のアイドルを応援しようだのなるわけがない。クールジャパンなどと政府がなにかを推進する必要はまったくない。むしろ政府は邪魔だ。きゃりーぱみゅぱみゅにしろ、日本の漫画・アニメにしろ、ゲームにしろ、原宿にしろ、他国で受け入れられるものは自然とそうなる。ごり押ししたところで拒絶されるだけのことだ。AKBなどの秋元康がプロデュースしているアイドルグループが米国などで大人気となることは先ずない。500億円全額をAKBの宣伝費に計上したとしても無理だろう。安倍総理は普段からニコニコと芸能関係者と交流しており、エンターテイメントの世界に関わることを望んでいるようだが、その軽薄さがいつか仇となることだろう。AKB関連でいえば黒い噂が山ほどある。デマもあるだろうが真実もあると見ている。そんなグループを世界発信することをクールジャパン?おかしな判断だ。
4. 甘利経済財政政策担当相など閣僚たちにまったく恐れられていない軽さ。政治家としてフレンドリーなことが良いとは限らない。甘利経済財政政策担当相はその職責にも関わらず既に何度も経済担当相としては失言に相当することを述べては株価や為替に影響を与えている。他の閣僚も軒並み緊張感が薄くなってきた。要は安倍総理の存在が閣僚たちにとってはそれほど重くないのだ。歴史に残る名宰相たちが閣僚とお友達な関係だったことは無い。友情はあっても国家の未来を担う者たちの関係がお友達付き合いであって良いわけがない。安倍総理が閣僚たちににらみを効かせていないのには意図があるというよりも、やってもできないという可能性が高いように思う。要はもっとピリっとしろ!ってことだ。支持率が高いから日本が良くなるわけではない。どうにも安倍総理を心底信用できない理由には安倍総理から感じ取る「弱さ」なのだ。ミジンコが大嫌いな歴代の日本の首相たちはどんなに人気が無かろうが「弱さ」は感じなかった。田中角栄しかり、竹下登しかり、橋本龍太郎しかり、小泉純一郎しかり、本当に大嫌いな政治家たちであったが弱くはなかった。安倍総理の一連のテレビ出演などはかなりの数録画してチェックしたが、う~ん、率直な感想は「(こんな調子で)大丈夫かな?」だった。首相時代の麻生さんみたいに相手の自己評価なんて気にせずに信念を貫くってな感じが安倍総理からは感じ取れなかった。
で、民間活力の爆発ってなんだろうか?安倍総理は例え話は山ほどしたが具体的になにも説明していない。「民間」の「活力」が「爆発」するとアベノミクスは成功らしいのだが、その具体的な計画を述べるのが首相の最もやるべき責務だろう。民間ってことは我々経営者や会社勤めの人々や事業者など様々だ。その活力と言われてもなんのことやら?結婚式のスピーチではなく日本の未来を決める演説で活力と言われても「だからその活力ってなにを指しているのか?」ということなのだ。さっぱりそれは伝わってこなかった。我々が一生懸命働けばいいってこと?それは民主党政権時代でもやっていた。アベノミクスだから活力を出すってわけではない。で、爆発なのだが・・・・・。もう爆発くらい国民が頑張ったから民主党不況でも日本は危なかったとはいえ崩壊しなかった。爆発なんて簡単にいうけれど日本は諸外国と比較したら毎年爆発的に国民が頑張っている国なのだ。かつてあの鳩山由紀夫が勝手に打ち出した温室効果ガス25%削減計画に民間からは「日本は絞り切った雑巾だ」といった意見が出た。とっくに努力して温室効果ガス削減のための様々な工夫をこらした後で、あの空前絶後の愚かな首相であった鳩山由紀夫は「もっと減らして」と言ってきたのだ。「もうとっくにやっているっちゅーの!」これが民間の答えだった。安倍総理のいう爆発もなんだか表現が危うい。とっくに爆発的に頑張っている民間企業にもっと爆発しろという意味に聞こえなくもない。それでは政治の力なんてなんの足しにもなっていないで民間企業が死ぬ思いで頑張るだけの計画がアベノミクスの第3の矢ということになる。本当に安倍総理は大丈夫だろうか?安倍総理は1度休暇を取って足元を見つめる時間を設けるべきだ。
[42回]
PR