国会が閉会された。最後の最後で首相の問責決議案が可決されるという野党の国民の生活よりも党利党略を優先させたくだらない恣意行為によってすぐにでも可決するべきだった法案が廃案に追い込まれた。今国会、廃案となった法案は12法案に及ぶ。
廃案になった法案・条約承認案
【政府提出法案 ― 4案】
・ 電気事業法改正案
・ 生活保護法改正案
・ 生活困窮者自立支援法案
・ 海賊多発海域船舶警備特別措置法案
【議員立法 ― 2案】
・ 水循環基本法案
・ 雨水利用推進法案
【条約承認案 ― 6案】
・ 日中韓など投資協定5案
・ 日印社会保障協定
生活、社民、みどりの風が提出した首相の問責決議案。重要法案のことなど無視した自分たちが目立つためのアピールでしかない問責決議案の提出だった。確かに目立つことは目立った。次の参院選でも大敗するであろう泡沫政党の数々が日本の未来にはまったく配慮せずにひたすら自分たちのことしか考えていないということを証明したという意味では目立った。
民主党に関しては呆れ果てて怒る気もしない。自分たちが推進して自民党と協力して作った法案を自分たちで廃案に追い込んでいるのだ。この狂った政党のいつもの通りの行動パターンではある。自分たちが立案したり作成した法案や政策について後から批判するのはこの政党の特徴だ。記憶力の欠如というよりは恥という概念がそもそも存在しない政党なのだろう。
日本維新の会も首相の問責決議案に賛同した。党の代表であり顔でもある橋下、石原、そして松井のスリートップの3人がそれぞれ異なった見解を述べている。この問責決議について苦言を呈した松井幹事長の感覚が一番まともだと感じた。「そんなことをやっている場合ではない。国民に理解されない」と述べた松井幹事長。だが維新の会は問責決議に賛成したのだから同じ穴のムジナだ。野党だからといってなんでも与党に反対して日本にとって不利益なことを追求するなんてことは馬鹿げている。もうこの党の存在意義を余り感じない。党を代表する人物たちが感情のままに適当なことを述べているばかりで本当に日本にとって有益なことを追求しているようには見えないからだ。本当に今回の問責決議での維新の会の動きにはガッカリした。民主やみんなの党がこの馬鹿げた問責決議に賛同するのは予想の範囲内ではあったが維新の会が政府提出の重要法案を反対する意味が理解できない。所詮、維新の会も寄せ集めの日本の未来よりも自分たちの未来をなんとかしようとして自滅していく日本には要らない政治屋たちの集まりということか。元太陽の党の面々は維新を乗っ取ろうと躍起になって維新の悪い面に染まった愚かさが情けない。こんな馬鹿げた政局をやりたかったのであれば自民党を離党してまでたちあがれ日本を結党した意味が無い。
政府提出の重要法案の4つが廃案になってしまったことが痛い。日本にとって痛恨の一撃だ。次の国会に同様の法案を提出するであろうがこの半年の遅れは痛い。痛すぎる。今すぐにでも法案を可決させて立法するべき案ばかりだった。ほんの前日までは成立が見込まれていた法案の数々だ。なぜ法案修正に参加していた民主党が一転反対にまわったのか?民主党は参院選でわざと大敗しようとしているかのようだ。
廃案となった政府提出重要法案4案:
■ 電気事業法改正案 ■
広域系統運用機関設立。大規模災害等の発生時に各電力会社に他地域への電力の融通を命令する権限を有する機関の設立を目的としている。少しでも早く実現するべき法案だった。原発事故後の各電力会社の傲慢な態度を見れば、この法案のない現在の日本はエネルギー供給に於いて綱渡り状態と言える。電力会社が政府方針に沿わない可能性が残っているのだから恐るべきことだ。現に震災時の東電を思い起こせばそれがいかに日本にとってのリスクとなるのかは明白だ。
■ 海賊多発海域船舶警備特別措置法案 ■
この法案を廃案にする野党の意図がまったく分からない。日本の船が海賊に襲われることを野党は望んでいるのだろうか?この法案は、ソマリア等の海賊多発地域で警備員への銃の所持を認める(許可制)法案なのだ。実際にソマリア沖を航行する船舶では武装した警備員を乗船させるのが常識だ。遠くから小型のボートが近づくと警備員たちは船上からライフルを掲げ、上空に発砲してマズルフラッシュ(銃から出る火)を見せる場合もある。銃を装備した警備員たちが海賊たちに「この船には武装した警備員がいるぞ」と警告して威嚇するのだ。海賊たちはそういった武装警備員のいる船をまず襲わない。実際にはコストの問題があり、そういった民間の船に乗船する警備員たちは僅か2、3名という場合が多い。巨大なタンカーでもそうなのだ。しかもこう言ってはなんだが、そういう警備員たちは元特殊部隊員たちといった精鋭ではなく、東南アジアや中東の元軍人が大多数。兵士としてはお世辞にも一流どころではない。だが安いから重要がある。襲う側の海賊たちは目標の船に何名のどういった実戦経験を持つ警備員たちがいるのかは知る由もないので船上に警備員たちが銃を掲げている姿を双眼鏡で確認した時点で襲撃を諦める。この法案は至って合理的な法律となって日本人の生命と財産を守るはずだった。しかしこれも廃案。
■ 生活保護法改正案 ■
廃案ではあるが8月からの保護費引き下げは先行実施される。法案が廃案なのにそんなことが可能なのだろうか?生活保護受給者は社会奉仕活動での社会活動への参加なども盛り込まれていた。もう支える側の納税者が限界なのだ。生活保護受給者の努力、いや百歩譲って歩み寄りは必要なはずだ。このままでは納税者の方が先に生保受給者よりも過労死してしまう。この法案提出に対してデモをやった生活保護受給者たちは恥を知って欲しい。
■ 生活困窮者自立支援法案 ■
生活保護の対象になる前段階の生活困窮者のための支援制度のはずだった。が!これも廃案。生活保護受給者を増やさないためにその前の状況でなんとか自立できるように支援することのなにが問題だったのだろうか?野党はこの法案を廃案にさせた意図をちゃんと説明するべきだ。これではこの法案を廃案にした野党が「余計なことはするな!生活保護受給者予備軍を自立させるんじゃない!」と言っているようなものだ。
他にも議員立法の水循環基本法案が廃案になったことも解せない。ここのところ深刻な問題となってる外資(主に中国)による水資源の獲得による乱開発防止のための下準備となる法案だった。この法案を反対した野党たちは日本の水源を外国に手放すことに賛成したということになる。売国ここに極まれりだ。
結局のところ、今後更に議席を減らしたり党そのものが消滅する野党たちの思い出作りに国民が巻き込まれ、すぐに必要な法律の施行が先送りにされたのだ。この遅れにより日本は多くの国益を失うかもしれない。日本にはクソッタレな野党しか存在しないのだと痛感した。
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