本日、TBS系で放送されるワイルドスピード・シリーズの第3弾。実はミジンコ、この作品が大好物。地上波初だとか。2年前に「4」が放送されていたし、そもそもこの作品は2006年の作品なので本当に遅い地上波での登場だ。日本の役者が多数出演している作品なのでなにか権利関係で問題があったのだろうか?地上波まで6年もかかる作品とは珍しい。
この作品、シリーズのファンたちから酷評されている場合も多々ある。日本人の書いたレビューでもそういった低い評価を数多く見てきた。確かにそういった批判的な意見ももっともだと思う点がいくつもある。先ず舞台となる日本の描写が荒唐無稽であるところなどは日本人としては納得がいかないかもしれない。ストーリーも決して誉められたものじゃないという意見も分かる。この作品の脚本が傑作だなんてミジンコも思っていない。むしろテイストとしては限りなくB級作品だ。
それでもこの「3」がミジンコは大好きなのだ。おバカ騒ぎを楽しむときには自分もバカになったほうがより楽しめるとは思わないだろうか?この作品からは製作陣が真剣に取り組んだ数多くの「こだわりにこだわった演出」があって、作っている側の本気がグイグイ伝わってくるのだ。ただのカーチェイスを描くために作った作品ではない。シリーズがマンネリ化していくことを断ち切った勇気ある新しい試みをこれでもかっていうくらいに詰め込んだ監督のジャスティン・リンをはじめとするスタッフや役者たちの言葉どおりに魂を込めた一作だとミジンコは思っている。駄作だ、B級だと批判するのは簡単だが、単純にこの作品を観ると元気が出るのだ。それだけでも価値ある作品だ。
ちなみにこの3作目のジャスティン・リン監督は「3」から今度公開される6作品目の「ユーロ・ミッション」までの監督をしている。シリーズ3作目のこの作品で監督は映画会社から評価され、4作目でも5作目でも大ヒットを飛ばしている。このシリーズの「2」を観た人の誰がこのシリーズがここまで長く続くと予想しただろうか?酷評が多い今回放送される「3」だが、人によってはとても楽しめる作品となっていることは間違いないのだ。そこに映画会社も賭けて同シリーズの4作目も任せて今やドル箱のシリーズの誕生だ。「3」でカメオ出演したビン・ディーゼルの役者魂に火をつけたことも大きい。友人やファンたちからそのカメオ出演が好評で次の作品への出演を決心したんだとか。「2」で途切れたと思ったシリーズは「4」で復活している。ちなみに「3」は今続いているシリーズの後の話という設定らしい。そうではないと辻褄が合わないので後付けでそういう設定にしていると思われる。確かに「3」のときにシリーズが復活するとは製作側も考えていなかったのだろう。
確かにストーリーはなんとも言えないビミョ~なものだ。日本や日本人の描写も現実とはかけ離れている。作っている側もおかしな日本を描いているとは承知の上で作っているのだろう。そのおかしな日本に腹を立てるよりも笑ってしまったほうが映画は楽しめる。北川景子に関しては大切なキャリアだったように思う。日本ではまだそれほど売れていなかったところでいきなりのハリウッド作品、しかも出演シーンも台詞も結構あるというチャンスをちゃんとモノにした。メイキングを見ると分かるのだが実は北川景子の出演シーンはあれだけ出ていても結構カットされている。必ず一緒に登場する相方(?)の男子生徒役の役者さんがジャスティン・リン監督の実弟であることが「(人間関係的に)カットしやすい」となってしまったのか、本当にメイキングを見るとここまでいろんなシーンを演じていたのかと驚いた。数秒ではあるが真木よう子も出演。なかなか気がつかれないが中川翔子も一瞬出ている。なんだかこの作品はアゲマンなのではないかと思えるほどだ。この3人、その後に皆が大ブレイクしている。
サン・カンという韓国系アメリカ人俳優がこの作品では重要な役を演じている。素晴らしい役者だ。アジア系はアメリカのドラマや映画で「典型的なキャラクター」しか与えられないことを改善する活動にも取り組んでいるので応援している。白人や黒人は主演を含めて様々なキャラクターを与えられるが、アジア系となるとほとんどが脇を固める追加1キャラだったり、器用でアタマが良いキャラクターといった役柄ばかりだったり、先ずそもそもが人口比と比較してアジア系が主演となることは先ずないといった現状はおかしい。サン・カンは既に準主役としてシルベスター・スタローン主演の映画に出演している。アジア系がそこまでの位置に登りつめるのは相当に難しかったことだろう。それもこの「3」がきっかけと言っても過言ではない。「3」でのサン・カンはとてもインパクトがあった。アジア系であるのにクールでありつつも時に感情豊かであったり、典型的なアジア系の役柄を打破していた。
ここでネタバレ↓(「3」を未見の方は作品をご覧になってから読まれた方がよろし)
サン・カン演じるハン(←日本人名とはとても思えない設定なのだが・・・・)は、この作品で死んでしまう。が!「4」以降もハン役として出演している。これはジャスティン・リン監督との強い絆もあり、かつサン・カン自身の評価がとても高かったが故だ。そういうわけで「4」以降にハンが主人公たちの仲間として登場するがあくまでも時間軸としては「3」よりも過去の話ということになっているらしい。「4」以降が大ヒットしているので「4」で「日本に行く」といった台詞があるにも関わらず「5」でも「6」でも登場したり、「5」で億万長者になったはずのハンが日本では数百万円のヤクザへの上納金を着服するといった不可解な行動、いわゆる矛盾が次々と増えていくのだが、もうこれはヒット作に返り咲いたが故の苦悩だろう。
アメリカのホテルで何気なくつけたテレビでこの作品がちょうど放送されるところだった。5年前くらいのことだったろうか。北川景子が出演しているのは承知していたのでむしろ「どんな感じの扱いになっているのか?」を知りたくなくて1度も観たことが無い作品だった。主人公と絡むシーンがあるとは知らなかったのだ。しかもメカニックの役とは驚いた。クルマ主体の映画でメカニックの女子高生・・・・・って、オイ!w
そもそも「2」を何度も観たがとても誉められたもんでもなくて同シリーズへの期待が薄かった。ビジネスデスクもある部屋だったのでパソコンを触りながらの視聴だった。その内、その余りにもバカバカしい描写に引き込まれた。日本人の誰もが英語が堪能であったり、カーレースで物事を決めようとするヤクザなどありえない描写の数々が逆に面白く感じたのだ。KONISHIKIが出たところでは本当に笑った。こういう映画があってもいいと思った。
[21回]
PR