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結局、このワタミ前会長を自民党は擁立したというわけだ。公職選挙法違反の疑いが非常に強いことを幾度も繰り返した人物の擁立を最後まで取り消さなかった自民党執行部にはなにかこの候補者の擁立を取り消しにできなかった理由があるのだろう。所詮、自民党もそんな政党ということだ。
ともかく自民党は多くの支持者、自民党を信じて票を投じてきた有権者たちを裏切った。昨年末の衆院選、そして各市町村での地方選、先日の都議選とずっと自民党を支えてきた人々の信頼を自民党は踏みにじった。
この自民党の新たな候補者は「国を破産させるわけにはいかない」、そして自分の経験を生かして「国の経営化を健全化」を図りたいと述べている。いわゆるブラック企業の手法では確かに企業自体は肥えるのではあるが従業員たちはどうだろう?国が裕福になっても国民が死にそうなくらい困窮する社会、そんなものを誰が望んでいるのだろうか?それではまるでどこかの独裁政権のようだ。国の中枢にいる一部の人間だけが肥え太り、国民の痛みなどはまったく意に介さない国、まるで北朝鮮だ。自民党は日本をそんな国にしていきたいのだろうか?
安倍首相自らがこの候補者への出馬要請を行ったとか。信じられないほど愚かな決断だ。そもそも安倍首相については社会構造、もっと具体的にいえば庶民の生活についてどの程度の認識なのか非常に不信感がある。ほとんどの国民は過酷な受験戦争を乗り越えて、その先に更に決してラクとはいえない会社員生活を数十年送り、その間、ほんの些細なミスでも許されないプレッシャーと戦って生きている。本当に日本では国民でいるのもラクではないのだ。
対して安倍首相の今までの人生はどうだっただろうか?そりゃ政治家は過酷な仕事ではある。その点は同情しているが、それまでの過程で安倍総理は本当の意味で国民が味わったほどの苦労を経験しただろうか?本当にこの点では疑問視している。東大に入るべくの英才教育で家庭教師にしごかれても成蹊大学。きつい言い方だが現実としてそのくらいの環境にいた同世代の二世議員たちで安倍総理よりも学歴が低い人物はそうはいない。英才教育を受けても東大合格は叶わないまでも滑り止めの早慶には余裕の合格くらいが当たり前だ。先ずここで安倍首相は受験戦争という名の過酷な競争を頑張っていなかったことが伺える。
その後の南カリフォルニア大学の中退は当初から短期留学目的だったであろうから仕方ないにしても(※ 留学経験者が英語が堪能ではないことは大問題。授業を理解できたのだろうか?)、就職先は神戸製鋼所だ。日本を代表する巨大企業だ。この企業に安倍首相の学歴で入社したことはまさに異例のことだったろう。しかも社内でも随分と手厚い・・・・・いやまぁ、はっきり言ってしまえばこれは本人にも気の毒なことではあったが将来の首相と目されていた人物のご子息ということで本人にはコントロールが効かないところでいろんな力が働いて安倍首相を守っていたであろうことは容易に推察できる。本人に非がないとはいえ、これで日本の会社員がおかれた厳しい環境を学べたのか否か?その点は甚だ疑問だ。
自分で書いていても安倍首相に失礼なことを書いているとは分かっちゃいるがこの大前提に触れなければならない。なぜか?安倍首相は本当にワタミという企業グループの危険さを理解しているのだろうか?ということ。学業でも仕事でもそれこそ不眠不休で取り組んだ後で理解できることがある。とことんまで頑張った先にある上が求めることの正当性と理不尽さだ。企業が従業員を奴隷のように扱い、質素な生活ですら困窮するほどの低賃金で働かせることを政府が容認していてはその国はお終いだ。そのお終いというやつをなぜ自民党が率先してやろうとしているのか?これだけ国民に支えれれてきた政党がやっと政権が安定しそうだというところで首相自らワタミグループを支持することをしでかすなんて狂っている。
なんだかんだと支持率が高い安倍首相だがここで長々と書いたように「それほど戦っていない」のだ。少なくも多くの国民が苦労に苦労を重ねているほどの経験はしていない。そりゃ政治家としては苦労しているだろうし、首相を1度経験もした上で再登板だ。前回の辞任も誉められたものじゃない。そんな人物がワタミ前会長を望んで擁立しているという現実は本当に支持できない。安倍首相がワタミグループの企業に入社したら3日ともたないことだろう。それを国民には求めているのだろうか?自分が到底できないことを国民に求めるリーダーシップなんて冗談じゃない!絶対に支持できない。