自分が大・大・大嫌いだった医療組織のボスキャラに猪瀬都知事があっさりと陥落していたことはかなりショックだ。まぁ、今回の件、ミジンコの今までの日本の医療との関わりとポリシーをご存知の方々からものすごーーーく気をつかわれているのが分かる。「猪瀬(ブルータス)、おまえもか!」とミジンコが怒り心頭なのであろうと思われているようでなぜかなんのこの事件(←敢えてこう表現)とはなんの関わりもないミジンコなのだが周囲からこの事件については「(怒り狂っているので)触れちゃいけない!」といった腫れ物に触るような扱いの模様。徳洲会のような組織がウンザリするほど嫌いではあるのだが、政府が僻地医療について積極的な政策を打ち出せていない現状では必要悪のような感じすらしていた。かといってもう既に皆さんご存知のような金権政治の権化のようなやり方、公職選挙法なんて一切無視の組織展開、そしてそんな議員を抱える(抱えていた)自民党へのミジンコの烈火のような怒りは結構有名な話だった模様。徳洲会がいつか今のように糾弾され一族が追われる身になることはもはや必然のようなことだったので今年の数々の騒動は驚くには値しない。ただただ驚いたのは猪瀬都知事という政治家としてもまだ新人のような立場の人までもがあの徳洲会に絡め取られていたということ。5,000万円は大変なお金ではあるが都知事選挙への軍資金としては大した効果を生み出さない程度の金額だ。徳洲会としては都知事に借りを作ることが目的なわけだから猪瀬都知事はまんまとその術中に嵌ったということだ。ルポライター出身の猪瀬知事がそこまでド素人で愚かだとは思っていなかった。残念だ。
今回の件、マスコミにまったく取り上げられていない元凶がもう一人いる。石原前都知事だ。都知事に在任中に再び国政に興味が湧き、結果として急遽新しい都知事を選ぶ事態を招いた人物が日本維新の会の石原前都知事だ。しかも後継を猪瀬都知事に指名しての辞職だった。石原前都知事の気まぐれでいきなり選挙戦を行うはめになった猪瀬都知事の準備不足は明白だった。他の候補者もいきなりのことではあっただろうが副知事の職務をこなしながらのいきなりの選挙戦だ。しかも元々選挙事態が初であり経験不足であった。選挙戦にどれだけの費用が必要なのかも分からないままの選挙突入でついすぐにキャッシュが出せる組織、そう徳洲会に借金を申し入れてしまったのだろう。そこが甘いと言われればそれまでなのだが要は猪瀬都知事は選挙に慣れていないし徳洲会のことも甘く見ていたのだろう。もしかしたら政治の世界では徳洲会のようなところと懇意になることは当たり前のことだと勘違いしていたのかもしれない。本当はそんな馬鹿げたことは断じて無いのだが・・・・・。この件について石原前都知事のいい加減さが追及されていないことに違和感を覚える。都知事の職責とは投げ出したら後は知らんで済むほど軽いのだろうか?
猪瀬都知事は出直し選挙をやれば良い。度重なる都知事選でまたしても税金が使われることになるがそれは民主主義の避けられないコストだ。当選した候補者が有権者、特にその候補者に投票した有権者に当選前に起こしていた不祥事を含めての審判を仰ぐことは必要だ。それを政治家がスルーしたまま辞職するわけでもなく当選を有効と都合良く解釈することは図々しい話だ。菅直人や前原誠司のように議員辞職が当然のことをしておいて有耶無耶にしたままその問題の風化を待つような姿勢は卑怯だ。猪瀬都知事は7年後のオリンピックを成功させるという責務を背負っている。あんなしょーもない記者会見と借用書公開の後でズルズルと都知事を続けるのではなく、一度、都民の信任を得ているという証明が必要だ。その選挙で落選したとしてもそれは猪瀬知事にとっては不幸なことかもしれないが都民、いや国民にとっては民主主義の下での選択であり決して不幸なことではない。
どうにも日本の政治家は民主主義を軽視している感がある。いわば選挙は騙したもの勝ちなのだと。断じて認められない。もし選挙後、つまり当選後に選挙前の不祥事が発覚した場合、もう当選してしまったのだからとその問題を流すなんてことは許されない。なにしろ選挙前にその事が判明していたら当選しなかったかもしれないのだ。猪瀬都知事が言うようにあの5,000万円は生活費のために借金したとしよう。選挙前に生活費5,000万円を借金するような候補者を都民が信用しただろうか?抜本的な財政再建が必要な東京都のリーダーに生活費に苦労している人物を選ぶだろうか?公職選挙法違反で追及されることを恐れて猪瀬都知事はあくまでも生活費のための借金と言い張っている。そこが愚かなのだ。選挙資金ではなく生活費に困っている候補者なんて都民が歓迎したわけがない。
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