森喜朗元首相がソチ五輪・フィギュアスケート女子ショートプログラムでの浅田真央選手について「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」と発言した。この密室政治で総理大臣になった人物はとかく失言・暴言で目立つ。単に馬鹿なのだろうが馬鹿だからなにを言っても許されるというものではない。ちゃんとこの発言についての責任は取ってもらわなければならない。失言メーカーはその失言の数が多いが故にひとつひとつの失言について有耶無耶にされることも多々ある。それはおかしい。その失言・暴言の先には必ずその心無い発言で傷ついた人々がいる。繰り返すがいくら森元首相が他人の気持ちが汲めない馬鹿だからといってなにを言っても有耶無耶になるということは断じて認められない。
浅田真央選手のショートプログラムについて:
「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」と評した。
フィギュア団体について:
「負けると分かっていた。浅田選手を出して恥をかかせることはなかった」
フィギュアスケート・アイスダンスのキャシー・リード、クリス・リード組について:
「米国に住んでいる。(米国代表として)五輪出場の実力はなかったが、帰化させて日本選手団として出した」
ソース元:
SANSPO.COM Sponichi Annex
ソース元の記事には「評した」とあるがこんな感想は評論でもなんでもない。馬鹿が思いついたことをそのまま口に出しただけのことだ。
なかなか適任者がいなかったとかでこんな人物を東京五輪・パラリンピック組織委員会会長にしなければならないほどの人材不足とは東京五輪は大丈夫だろうか?そこらの動物の方が失言しないだけマシな気さえする。
浅田真央選手は前回の銀メダリストだ。そして今回も激戦の女子フィギア代表の座を正当な評価の下で見事に獲得している。銀メダルは伊達じゃない。日本女子フィギア代表は転倒が多い選手では選出されない。オリンピックでのたった1回の競技内容を受けての森元首相の発言は余りにも短絡的だ。
キャシー&クリス・リード・ペアについての発言も許し難い。日本で間違いなく五輪出場権を得た代表選手たちに向かって言うべき発言ではない。母親が日本人であり最初から日本国籍を選んでいたに過ぎないのだから帰化ですらない。そもそもリード組は米国でも一流のペアであって、そういう選手たちが日本代表となってくれたというのになんでわざわざ五輪組織委員会の会長が蔑む必要があるのか?
馬鹿は死ななきゃ治らないということはこの元首相を見ていると本当のことではないかと思えてしまう。ただの馬鹿ならばまだマシだ。いちいち誰かを傷つけ誰かを不快にさせる馬鹿なんて病原菌のように存在自体が迷惑だ。恐らくこの元首相には反省なんてものはない。あったならばとっくに失言癖も少しは改善されているはずだ。
こんな馬鹿に元首相の座を与えた当時の自民党執行部の責任は重い。短期間ではあったものの首相となりその後の人生で元総理という肩書きを得てしまったものだからタチが悪い。その後はまるでキングメーカーのような存在となり今もって自民党で安倍総理も含めて頭が上がらない議員たちが多い。自民党もそういう意味では情けない政党だ。ここで安倍総理が毅然と「浅田真央選手は日本の誇りだ」と述べて森元首相には全ての表舞台から引っ込んでもらうべきだ。それができないのが安倍総理なのだろうがたまにはそういう胆力を見せて欲しいものだ。
浅田真央選手の現在の16位という成績は残念ではあるが、それはむしろ浅田真央という23歳の女性アスリートがフィギアに捧げてきた青春時代を日本人の誰もが知っているが故の彼女の心中を察しての「残念」だ。日本の金メダルの可能性が低くなったことが残念というよりも彼女が傷つき悲しんでいるであろう状況を日本人が共感して悲しんでいる。日本の獲得メダル数にそれほどこだわっている日本人が多いとは思えない。浅田真央選手がここまで努力をしてきたことがなかなか報われていないことが悲しいのであって転倒を怒っている日本人なんてそうはいないはずだ。要はメダル云々のことで浅田選手を日本中が応援していたのではなくて浅田選手に幸せになって彼女の朗らかな笑顔を見たいから応援していたのだ。そこを森元首相はまったく分かっていない。
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