ぷっ!
おっと、つい抑え切れない感情が先に出てしまった。キピッチが早速のことながら巨泉(彼氏)と別れた。
キピッチがその別れた理由を話そうとするたびに他の誰かが話をインターセプトすることが我が家のブームとなっている。
キピッチが「ホント、ひどいんですよ!」と始めるとキパ子がクッション抱えて「とうっ!」と体当たり。
「もー聞いてくださいよ!アイツったら・・・」とキピッチが始めたところでミジ妻が「
そんなことよりもお皿が足りない!」と話をシャットアウトして自分のおつまみを優先。
キピッチが再度キパ子に別れた件を振ろうとすると「ああっ!?のろけか、のろけか?コノヤローめ!」とクッションでバスバス叩かれていた。そしてホコリが舞い空気清浄機を静かにつけるミジンコ。
仕方がないということで最後の選択肢であるらしいミジンコに話を持ってくるキピッチさん。イヤイヤなら俺に話さないでもいいんだが・・・・・。
「ああ、あのデブで老けていてクルマの運転がヘタクソな彼氏のこと?」と今後の会話の上で必要となるであろう情報を確認したミジンコ。「そうです。あのデブで20代なのに40代に見られた運動神経ゼロでクルマの運転が私よりもヘタクソな
元カレのことです。」と若干ダウングレードして返答するキピッチ、もうそこに愛は無いらしい。
「つまりあのカレーの食い方が超汚い彼氏のことだろ?」とミジンコ。何事も確認は大事なのである。
「そうです。あのトンカツを食べていると共食いにしか見えない
元カレのことです。」と元カノジョ。
「わかった。要するに見栄を張って彼女(キピッチ)にフットサルをやっているところを披露したものの、ゾウがドリブルしているみたいで明らかにチームのガンだったことがバレてしまった彼氏のことでしょ?」とミジンコ。
「そのとおりです。顔面にボールを受けたときにチームメイトから『何度目だよ!』とつっこまれていたフットサルチームでのあだ名が【敵チームのスパイ】の
元カレです。」としつこいようだが元カノ。
会話はこのあたりで「おつまみできたから酒じゃー!」のミジ妻の一声で終了。
結局のところ別れた理由は聞きそびれた。正直いうと聞かないでもなんとなく分かる。
[14回]
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