テレビコマーシャルを作っている身のミジンコがこう言うのもなんなんだけれど、ただミジンコはず~~~~っと前から言っていたことが最近証明されているようで「仕事が減るかもしれない」が嬉しい気持ちもある。
要は「テレビで流すコマーシャルって本当に効果があるのか?」という広告業界が震撼する疑問。
そりゃ勿論「効果がある場合もある」が答えにはなる。そして「効果はあまり期待できない」というのもあるはず。そう「効果が無い可能性」があるはずだったのに、猫も杓子も儲かっている企業も儲かっていない企業も「テレビコマーシャルをガンガン流せば商品が売れる!」と錯覚していた感がある。
とても興味深い事実がある→
テレビCM抑制「びっくり効果」 「サトウの切り餅」利益3倍に(J-CASTニュース)
「サトウの切り餅」でお馴染みのサトウ食品工業が、テレビコマーシャルにかける予算を年間9億円弱から3億円弱へと、3分の1に減らしたという。
サトウ食品工業によると、結果的に、PR不足となって、売り上げが4.9%減少。しかし、テレビコマーシャルなどのコスト削減幅の方が大きかったため、増益を確保。営業利益が3.2倍の9億円にも達したとのこと。
「PR不足」で売り上げが落ちたのかどうかすらも怪しい。この不況下での売上高の下降の方がPR不足という理由よりも大きな要因だと思う。
広告費を削減した方が企業は利益を上げられる可能性が見えてきた。
さて、ここで純粋な疑問。消費者の皆さんは「なにかを買うときに本当にテレビコマーシャルの影響を受けているのか?」ということ。
これも勿論のこと、購買意欲を上げるのにテレビコマーシャルは全く影響がゼロではないときもあるも正解。
テレビコマーシャルなんて全く関係ない場合もあるも正解。
ミジンコはほとんどの商品を買うときに後者が当てはまる。
コマーシャルを流すべき商品もあるだろうし、流す絶好のタイミングというのもあるのだろう。
テレビコマーシャルに依存する商品の価格には広告費が含まれている。
広告なんて出さないでも売れる商品もある。これら全てが事実なわけで、CM制作者、広告代理店、テレビ局はもうちょっと誠実な対応で莫大な費用を支払っているスポンサーに接しないと更にスポンサー離れが加速して、テレビで流れるコマーシャルが「客(馬鹿)を引き込んでしまえばこっちのもの!」な商売、パチンコと消費者金融のCMばかりがテレビから流れるなんて悪夢がやってくるかもしれない。
ちなみに米国の大手テレビ局でコマーシャルを流すときは、とてもシビアな条件をスポンサーがテレビ局に課す場合が多々ある。
例えば一定期間でCMで流された商品の売上高が契約時に想定した金額に達していない場合は、テレビ局はCMを流す期間を無料で延長するという契約があるのだ。
つまり、反響の大きなCMを作らないことにはテレビ局が痛い目を見るわけで、CM制作者へのプレッシャーも大きい。
これは、注目を集めるコマーシャルを作る自信のある制作者には俄然やる気の出るシステムではある。ミジンコはこっちの方が有難い。広告代理店の影響が余りにも大きい故だろうが、日本の広告業界の競争の希薄さは萎える。
テレビコマーシャルが必要な商品とそうではない商品がある。それに気がつく企業が増えることは結果として、本当に商品普及に貢献しているのかどうかも疑わしい割には莫大な中間マージンを取っている広告代理店への疑問にもつながり、コマーシャルを流さない商品が増えることだろう。そんな状況になろうとも、本当にコマーシャルが必要な新商品などのコマーシャルが減るわけではない。流石に宣伝が必要な商品やタイミングってものは存在する。それだけでも大きな市場であって、市場から淘汰されてしまうCM制作者やテレビ局ってのは力不足だったということだろう。
テレビコマーシャルが必要な分だけ流される時代。それは安い商品が増えることになり消費者にとってはメリットが大きい。
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