フジテレビの「特ダネ!」という情報番組を最近ずっと注視していた。理由は中野美奈子というアナウンサーがシエラレオネをレポートするために2週間ほど出張しているという話を聞いたから。
女性アナウンサーでタレントのような活動をしていた中野美奈子アナウンサーがシエラレオネにって話はミジンコには驚愕の事実でいったいどういうレポートをするのかと興味があった。
放送は今週の月曜日と火曜日の2回、各20数分のレポートだった。それがバラエティー番組のような情報番組の限界なのだろうか、まさか2日限りのレポートとは思いもよらず失望したが、こういうことにももう慣れた。
「アフリカが大変だ!」と言うだけのレポートは毎度こういうものが多い。番組スタッフや中野美奈子アナウンサーを責める気はない。彼等はミジンコが失望した気持ちを理解するところまでのアフリカへの理解へは到達していないだろうし、これからはアフリカのことは忘れて生きていく人々なのだろう。彼等にはそういう権利がある。
中野美奈子アナウンサーは、スタジオでの発表中に涙した。その涙に賛否両論、喧喧囂囂、下に貼り付けたYouTubeの動画のコメント欄も荒れに荒れている。
中野アナが泣いた箇所をピックアップしてUPしたところに悪意を感じる。彼女はほとんどのレポートではちゃんと語っていた。勿論、泣いてつまる時点でプロとしてどうか?という疑問は残るが、それを議論してもシエラレオネは救われない。
この動画にちょうど入っているシーン(3:00あたりから数秒)なのだがシエラレオネの人々がカメラをはたくような仕草をする。一人や二人ではなくて町の人々全員がカメラを嫌っているのだ。
彼等の言い分は「今まで世界中のマスコミが取材に来てはカメラで撮影して行く。それなのに俺達の最悪な生活は全く改善されない。マスコミは自分たちの金儲けのために撮影をしているだけで俺達を見せものにしているだけだ。」といったもの。
反論できるジャーナリストはいるだろうか?この中野美奈子アナウンサーのレポートですら企業たちの営利活動の一端ではある。どのような理念や理想があろうともそういう事実はこのレポートの一部として中野アナにも噛みしめて欲しい。
このレポートでなにかが変わるのだろうか?
なにもしないよりかはマシという「いつもの意見」もあるだろう。
彼女のこのレポートの評価なんて日本人の誰もできるわけがない。観ていない映画の感想文を書くようなものだ。
中野アナは現地で「臭い」の厳しさは痛感した模様。死臭対策をしないでシエラレオネに赴くとはなんという無知さ加減(苦笑)
彼の地では動物の死体も人間の死体も薄らと盛り土をしただけの墓地からの死臭も尋常ではない。それでも食事をちゃんと取って体力を維持しないと暑さにやられる。
それと彼女が現地の子供たちに「今、ナニが欲しいか?」という愚かな質問をしたことに対しても自分がいかに無神経で馬鹿で傲慢な質問をしたかは理解したことだろう。
なにかを人に与えられたことが無い子供がモノを欲しがるわけが無い。
今後、中野アナはどう活動するのだろうかは興味が湧く。彼女自身、(ミジンコとしては100発ぶん殴りたくなるような行いをいくつも行っていたが)誠心誠意、シエラレオネの将来については考えた期間があったと思う。
最初はそういうものなのだと思う。知らなかった人、つまり中野アナが今まで全く想像だにしなかった現実を知る瞬間は確実にあったはず。
なんとなく彼女に期待している部分もある。
今のように彼女が泣きださなくなり、それでもアフリカをアフリカを食いものにしている欧米諸国や中国からではなく、日本からの視点で冷静にレポートできるジャーナリストとしての中野美奈子が誕生したならば、ピューリッツア賞もあり得るかもしれない。
彼女を批判している人々には想像だにしないだろうが貧困国、紛争地帯では意外に彼女のような「最初は無知で馬鹿」が伸びるものなのだ。自分もそうだったのでよく解る。
彼女が今後一切、シエラレオネに関するレポートをしなかったとしても責めはしない、本当に。
そういうことに慣れるのがアフリカに関わる大前提なのだから。
[7回]
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