19日、米軍横田基地に新型輸送機・オスプレイが飛来したが、「オスプレイ来るな!横田抗議集会」が行われ、約300人が参加した。日本共産党の参議院議員・吉良よし子氏も日本共産党代表としてこの集会に参加し、オスプレイが事故を過去に何度も起こしたと指摘し、「構造上の欠陥としか言えないではありませんか」と言い、オスプレイが日本国民の頭上を飛ぶことは「危険極まりない行為」と訴えた。
吉良氏による「オスプレイ来るな!横田抗議行動。 墜落事故が相次ぎ、
低周波によりペースメーカーの不調を訴える人までいる危険なオスプレイの全国飛来NO!! 負担軽減というなら基地撤去。国民の命と安全のためにはオスプレイ撤退! 日本共産党を代表して挨拶」は約830回リツイートされるなど反響を呼んだ。
その一方で、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は『なぜ「オスプレイは危険だ」との誤解が広がっているのか』という記事を7月16日に執筆。オスプレイ反対派が持ちだす「米国でも反対運動が起きている」という説などに反論。
“アメリカには地元住民による「低空飛行訓練反対」運動はありますが、「オスプレイ反対」運動は存在しません。それを日本では一部のメディアが誤解して報じているということかと思います”と締めた。
ソース元:
アメーバニュース
オスプレイは訓練中に墜落したことはあるがそれは訓練指揮官が難易度の高い訓練を課していたこと、即ち森林地帯を低高度かつ高速で移動していたことによる。オスプレイだけではなく輸送機、いや航空機の全てはレーダーに捉えられないほどの低空飛行ではリスクが増す。オスプレイに欠陥があったから墜落したのではなく、軍事訓練とはそういう事故のリスクも含めて練度を上げるものであり、墜落がイコールして機体の結果では決してない。訓練が危険だからといって簡単な訓練しかしない軍隊というものが存在するだろうか?有事に備えて危険だと承知の上でもやるべき訓練があるということだ。そんな危険なこともある訓練中の墜落をここまであげつらって機体性能に問題があると断定する批判はナンセンスだ。
しかも共産党はオスプレイの機体開発中の事故までカウントして「何度も墜落している」と激しく批判している。開発中に事故を起こした機体が空を飛ぶべきではないというのであれば、世界中から航空機全ての飛行を停止するべきということになる。百歩譲っても事故率の高い機体から批判するべきだろう。そうなるとオスプレイが批判の対象となるまで数百機、いや1,000機を超える現役のヘリコプターやジェット機を先ず批判しなければフェアではない。日本の住宅地上空を飛ぶ民間のヘリコプターやセスナ機、はたまた大型旅客機がいったい過去にどれだけ墜落事故を起こしたことか。開発段階ではなく実用化されてからだけの事故率を考慮してもオスプレイよりも遥かに危険だと数値が示している機体にはまったく矛先を向けずに延々とオスプレイだけを目の敵にすることは科学的ではない。
共産党がオスプレイを目の敵にする理由には、上に示してあるオスプレイの行動半径の広さがあるのだろう。沖縄に配備された米軍のオスプレイは尖閣諸島に余裕で届く。しかも2倍近い速さでだ。CH46という輸送ヘリよりも多くの海兵隊員たちを約2倍の速さで尖閣諸島に送り届けることができるのだ。更に台湾やフィリピンにも空中給油1回で届くのだ。中国からしてみれば沖縄の米軍がオスプレイを配備してからというもの、自分たちが欲しい領土のことごとくが侵攻してもすぐに大量の海兵隊がやって来る土地となったのだ。そりゃ面白くはないだろう。
中国の脅威を感じならがも断固として国土を守りたい側からしてみれば沖縄にオスプレイが配備されてからは国防戦略が一変した。今までは米軍の戦術拠点としての空母や海兵隊を運んでくる輸送機の到着までは中国の侵攻を押さえ切れるか否かという切迫した状況だった。なにしろ空母は言わずもがなだろうが輸送機だって足は遅い。その足の遅い援軍を待つまでの間は自力で中国の物量作戦に抗しなければならなかったのだ。オスプレイならばほんの数機でも海兵隊の中規模部隊を一気に前線に投入でき、その海兵隊が侵攻軍にレーザー照準を当てれば艦隊の巡航ミサイルがそこに目がけてピンポイントで命中する。今だに近代化が進んでいるとは言い難い中国海軍は射的の的だ。中国にとってはオスプレイは悪夢だろうが侵略のターゲットにされている国々からしてみればこんなに頼もしいことはない。
で、オスプレイの低周波がなんだって?
いったいどんなペースメーカーなんだ、それは!そんなペースメーカーを作っている医療機器メーカーが存在するなんて初耳だ。当ブログの管理人・ミジンコは医療機器の部品でもある半導体部品を長年作っているのでペースメーカーの構造についても勿論承知している。なんらかの制御が必要な医療機器は半導体チップ無しには働けないのだ。仮に上空を飛ぶ航空機からなんらかの電磁波が発生しているとして、その地上で受けた微弱な電磁波の影響を受けて誤作動を起こす半導体部品なんてものがあったとしたら、そもそも半導体産業は今のように成立していないと断言できる。皆さんもご存知のようにパソコン、自動車、家電、ありとあらゆる製品は強力な電磁波の影響を受ける半導体コンポーネントを搭載している。そうペースメーカーだけではなく世の中の便利なものは、かなりの割合で超強力な電磁波を受ければ影響を受ける。そういう部品を積んでいるのだから当然だ。そうは言っても幸いにして、そんな強烈な電波や磁力で悩まされるような環境で我々は生きていない。ハイテクのカタマリである飛行機が空を飛ぼうが、エンジン制御からオーディオ機器に至るまでCPUを搭載している乗用車が何万台と道路を走ろうが、ペースメーカーに影響が出るようなことは無い。ちなみにシルバーシートの周辺での携帯やスマホの使用がペースメーカーに影響があるという話も根拠がなく、今は鉄道各社もその間違ったイメージを払拭したいようだ。そのくらいペースメーカーは周辺の機器からの影響を受けない。
よく言動が痛い大人が「電波を出している」と悪い意味で評されることがある。このペースメーカーの不調を訴えたという人物が一応は存在するとして、こんなオカルトな意見を周囲の誰も正さず、それを参議院議員が演説で訴えかけるという状況から変な電波を感じる。オスプレイを反対するなとは言わない。せめて科学的な根拠を示してオスプレイの性能を危惧するのならばまだしも、ペースメーカーの不調を訴えた人がいたというだけで周囲の他の状況も考慮せずにその原因がオスプレイにしかないと断定しているその姿が愚の骨頂なのだ。ペースメーカーの不具合や耐用時間などを疑わず、不具合を感じたときに周囲に強力は磁気を発生していた機器が無いのかも検証せず、ペースメーカー使用者の体調、更に言えばこの使用者の証言の信憑性も確認せずに、いきなりオスプレイのせいだとするその姿勢が愚かしい。共産党らしいといえばらしい短絡的かつ直情的なオスプレイ批判ではあるが、この政党は今後もこういう活動ばかりの政党ならば、もはや日本ではなく中国で活動した方が日本国民にとっても共産党にとってもお互いに幸せなことだ。
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