実のところ以前に
このけしからん妖怪の画像をUPした時には妖怪ウオッチのキャラだとは分かっていたものの、まだ「ジバニャン」というキャラ名は知らなかった。昨年、仕事の兼ね合いもあって大規模なハロウィーン・パレードに顔を出したのだが、オレンジ色のネコのコスプレイヤーたちと周囲の人々との掛け合いで「今、何時?」「一大事!」というのをやたらと見かけたが、それがあの大ヒット・テーマソングの歌詞だということを後になってから知った。自分が子供の頃は「今、何時?」への答えは「オヤジ、でんぷん、画鋲」だった。
どうも妖怪ウオッチはヒット作の中でも一過性のものではないようだ。いわゆるポケモンと同じように何十年もキャラクター人気が続く可能性を感じる。アニメ番組自体が長寿になるであろう上に、関連グッズによる経済波及効果が見込まれる作品に成長しているようだ。こういうことは日本経済にとっても歓迎すべきことだ。アメリカがディズニー関連ビジネスでどれだけ潤っているのかを考えれば、世界屈指の人気キャラクター輩出国である日本だってキャラクターで大儲けするべきだ。
既にポケモンは世界に羽ばたいているものの、少し大袈裟な表現かもしれないが世界の誰でも、世界の子供に大人気の日本発のキャラクターたちはディズニーキャラクターほどは儲けていない。世界的に見てもキャプテン翼を知らないサッカー少年なんて先ずいない。キャプテン翼を見て育ったプロサッカー選手は山ほどいる。アニメの放映権だけで満足するには余りにも惜しい作品だ。日本の戦隊ヒーローモノは20年も前にアメリカで空前のヒットだ。ドラマシーンをアメリカの俳優が演じ戦闘シーンは日本のものをそのまま使用した「パワーレンジャー」は全米のおもちゃ産業に大きな影響を与えた。パワーレンジャー関連商品の品薄状態が長期化して親を巻き込んでの大騒乱。当時、元々は日本のドラマだと知っていたアメリカ人はそれほど多くなかった。悲しいかな、巨額の興行収入を上げ続けている「トランスフォーマー」でさえ、実は日本発祥と知らないアメリカ人たちがいる。逆に「MNT(ミュータント・ニンジャ・タートルズ)」の方を誤解して日本産だと思われてしまう向きはどうにかして欲しいものだ。あんなキショク悪い亀は日本にはいない。
日本発のキャラクターたちが世界に羽ばたき、そしてその人気に比例した正当な報酬を受けることは大歓迎すべきことだ。日本はそういうライセンシングビジネスに関して大人し過ぎる。だからこそ、「ジャングル大帝」にしろ、「不思議の海のナディア」にしろ、あのディズニーが堂々と模倣する。日本発の作品でありキャラクターであるのならば、日本の企業や作者が正当な報酬を受けるべきだ。妖怪ウオッチのキャラクターならびに日本の妖怪感とでもいうべき、物の怪と共存し時には仲良くするということが自然だという感覚は世界でも受け入れられるはずだ。あの「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督は怪獣たちを愛する日本人の感性がとても好きだと述べている。そう、日本人は怪獣、そして妖怪といった英語で言うところのモンスターたちとも仲良くやっていこうとする独特な感性を持つのだ。これこそ排他するといった差別的な感性が元より存在しない優れた共存力だ。「妖怪ウオッチ」は子供たちにまさにその共存することの素晴らしさを伝えるアニメの秀作だ。
余談だが、以前にはそれが「コマさん」というキャラクターであることすら知らなかったコスプレイヤーたちの画像なのだが、「このコスプレイヤー、かわいいな」と思った人たちがコマさんたちだったことに今更ながらに気がついた。ジバニャンを把握するだけでいっぱいいっぱいだったんだ・・・・。コマさんのコスプレイヤーたちが世界に「妖怪ウオッチ」を広める原動力になるような気がする。
[13回]
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