ウィル・スティーヴンによる「頭良さそうにTED風プレゼンをする方法」が非常に興味深い。日本では例の脳科学者などが絶賛しているTEDだが、TED発のプレゼン全てを盲目的に「素晴らしい!」と絶賛することこそ TEDの本質を理解していない、まさに「愚かさの極み」だと常々考えている。この動画は本物のTEDのスタッフ2名が協力して「何にも話すことがなくても凄い話をしているように見せられる鉄板のプレゼンスキル」を披露している。
当ブログの管理人ミジンコも長年TEDに“暇があれば”参加していたが、ここ数年は正直いって「雰囲気アタマのいいひと」になることが恥ずかしくて「TEDに行った」とは言い辛くなってきた、そういう雰囲気を感じている。そりゃシリコンバレーとも縁浅からぬ関係であるTEDなので、彼の地で一応は世間話用の知識としては知っておいた方が良い素晴らしいプレゼンもあるとは思うのだが、最近は友人、仕事のパートナーたちもTEDへの関心が薄れたらしく、余り話題にもならなくなった。そんなTEDに触れることが段々と気恥ずかしい気分になってきたところでなぜか日本では前述の脳科学者などがいちいち日本と比較してTED、TED、TED、TED、TEDとやたらとうるさくて尚更のこと、TEDプレゼンについて語ることが、もはや「流されやすい人」と自称している気分となり、もうTEDは遠い存在となった。
そもそもTED自体も様変わりした感がある。余りにも有名になってしまったイベントはもう「スピーチに拍手喝采、感動しなければならない」といったプレッシャーを聴衆に与えており、数多の「The 普通」な講演も絶賛しなければならない雰囲気を醸し出している。そういう雰囲気を面白い人生を送っているプロであるウィル・スティーヴンは敏感に感じ取り、このTED風プレゼンを思いついたのだろう。これをTEDをパロディーにしているといった批判的な意見もあるが、その指摘はナンセンスだ。このプレゼンはTEDの本質を見事に突いている諫言のようなものだと当ブログは捉えている。こういう皮肉を受け入れてこそのTEDだ。
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