観てきた。満足。ミジンコがこういうことを言うだけでこの作品がどういうものだったのか伝わっていると良いのだけれど。
正直言って映画館に行く時間が取れるかどうかってスケジュールだったのだが、この夏はどうしても細田守監督の「サマーウォーズ」と大傑作とミジンコの周囲が絶賛している「ボルト」は外せない作品だった。なので、21:00からのレイトショーになんとか間に合わせてシネコンに向かった。
行った価値はあったと思う。日本にいられてラッキーだった。
映画を観るちょっと前に、もうすぐ100歳になる祖母の見舞いに行った。祖母のことで医療措置としていろいろと決断しないとならないことがあり、老人ホームの館長や併設されている病院の院長のお時間をいただいて話をした後に「サマーウォーズ」を観たものだから映画館で大変なことになった。いつも緊急の電話やメールが入っているかどうかの確認のために上映中でも2回ほど劇場の外に出て携帯の電源を入れるのだが、生まれて初めてトイレで鼻をかむために上映中に外に出た。
なにが大変だったかはネタバレになるので言えないが、「サマーウォーズ」をあまりにも楽しみにしていたものだから、予備知識をほとんど得ないままの鑑賞だったのがマズかった。「サマーウォーズ」がどういうストーリーなのか少しは知っていれば絶対にその日には映画を観なかったものを・・・。
男女のラブコメディーみたいなものかと思っていたら全然違っていた。
もう自分の祖母への措置についての数え切れないほどの同意書にサインしており、時折、本当にこの決断で良いのかと悩みに悩むときがあるのだが、それでも昨日も祖母の口にゼリーを運べて口の周りを拭くことができるのだから意味が無かったわけではないと思う。
意識がまだ明瞭な祖母はミジンコが関わった事業のニュースを見ては「もっと頑張りなさい。」と更に上を要求する。もっと世の中の役に立ちなさいといつも言う。
自分の兄も代議士、戦後の混乱時に自ら望んで国選弁護人の道を選んだ旦那がいて、歴史の教科書に載っている政治家たちの愚痴、もとい苦悩や、なんでかブーム扱いされている白洲次郎などの生き様をナマで見てきて散々ミジンコに教えてくれた祖母にとっては、飛行機もハイテク化されて安全になりスピードアップ、国際電話も安くなり、インターネットというものまで登場した時代に仕事をする恵まれたミジンコはもっと頑張れるはずだということらしい。つまりあんたは幸せなんだからもっと皆さんに貢献しなさいってことなのだ。
確かに祖母の義理の息子、つまりミジンコの叔父はコロンビア大学を出ているのだが、今70代の人とミジンコの世代の留学とでは苦労の度合いが全く違っていたのだろうとは思う・・・のだが、今だにその叔父と比較されてミジンコがラクして留学していたかのごとく言われることには激しく反論している。同じ口喧嘩を20年近くもやっているような・・・・。
なんでこんなに祖母の話をしているかというのは「サマーウォーズ」を観れば解るはず。
ただとにかく「サマーウォーズ」はどんなストーリーだとか、どんな登場人物がいるとか、そんな話はまだ観ていない方々には一切伝えたくない。
余談だが、この前、「ナマの白州っていうとごはんにかけるとおいしそうだよね。」って言ったら祖母が大笑いして呼吸が乱れ危ないところだった(懺悔)
実のところ、「サマーウォーズ」の世間での評価が、ミジンコが大絶賛した同じ監督作「時をかける少女」を下回っているということは知っている。
ミジンコはどっちが面白いとか、どっちが上とかそんなことは考えられない。どっちも素晴らしい作品なので。
ただ純粋に作品としてのインパクトで言ったら確かに「時をかける少女」が圧倒的な気はする。ただミジンコには「お祖母ちゃん補正」なるものが加わっているので「サマーウォーズ」は本当にかけがえのない作品となっている。
そういえば、ミジンコは「時をかける少女」に関しては2回、
「時をかける少女」、
「時をかける少女 おかわり」とテレビ放映前に記事にしている。
今年の夏、「サマーウォーズ」の製作に日本テレビが参加している関係か、今までのフジテレビではなく日本テレビでの放送予定とのこと。
なんとジブリ作品だけでなく、細田作品も日本テレビが放映権を獲得したということか。やるじゃないか日テレ!
おそらく「サマーウォーズ」は観客の家族への関わり方によってだいぶ見方が変わる作品なのだろう。だからこその賛否両論なのだと思う。
それは致し方のないこと。この作品をつまらなかったと言う人をミジンコは否定しない。あの「時をかける少女」の後の作品として、そういう評価を受けてしまうことは多々あることだと思う。
ただ言いたいのは、劇中に数多く登場する「日本の夏の景色」、それらを観るだけでも、とても心地よい映画だったことだけは約束できるってこと。
[8回]
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