昨年、国内で山で動けなくなったオバハン、もといご婦人の下山(輸送)を手伝った。霧が強くてヘリが来れず、背負ったり、なだらかなところでは即席担架で運んだり。
ミジンコの同行者たちが全員山のエキスパートだったのでできたこととも言える。そしてこちらの登山は断念することに。それが山のルールなので仕方がないし、実はそういうことは本当によくあること。
遭難者たちが自分たちが遭難している、もしくは遭難しかかっていることを解っていないときすらある。
ミジンコたちは山の頂上までを1往復半はできるくらいの場所じゃないとチャレンジしない。1往復してなお体力を残しているくらいの場所じゃないと遭難者をたまたま発見したときに二重遭難の可能性が高くなる。
要救助者にバッタリ出くわした(←言葉は悪いがまじで泣けてくるときはある)ときは考えることはしない。とにかく救助が必要な人の最善を選択する。これは登山者の誰でもそうする。
今年の夏、1日だけの夏休みをミジンコのカリフォルニアでの活動拠点のすぐ近くサンノゼのピナクルズという岩山たくさん国立公園で訓練ではなく遊びでのロッククライミング・・・・・のはずが、怪我人と遭遇。ソロでクライミングの練習にきていた大学生だった。岩場で滑って足を負傷。出血を伴うヒドイ骨折だった。公園のスタッフが救助に来るまで待つか否か一緒に来ていた心臓外科の医師の指示を仰いだ。彼は「専門外なんだけどなぁ・・・」と愚痴りながらも丁寧に応急処置。ってか救護セットでリックサックがいっぱいだったのはウケた。ミジンコが落ちたときの準備かもしれなかったが・・・。
そして彼は、骨折の状況がよろしくないので応急処置をして早めに救護センターまで運んだ方が良いと判断。「脳波のチェックをしてから動かしたいが・・・」とグチグチグチグチ。気持ちはわからないでもなかった。救出した相手とその家族にさえ訴えられるのがアメリカ社会、ヒィィィ・・・。
そんなわけで当然のごとく、ミジンコたちの休みの計画は露と消えた。まだ詳細はわからないが、その学生は足は切断しないで済んだ模様。しかも、なんとビックリ、その学生、ミジンコが財団を通じてサポートしている子と同じ大学。
もしその学生が(学費援助の形式上ではあるが)我が娘にちょっかいでも出そうものなら、くっついた足を斬る所存。
ふぅ、救助、救出・・・・・正直いって山ってそんなことばっかやで!(涙)
大自然は人間に容赦なくて、1度滑っただけが命取りな世界。だからといって登山なんかするな!という気持ちが湧かないほど素晴らしい経験もできるので困ってしまう。
ともかく年に1回くらいしか設定しない「遊びの日」が吹っ飛んだことをずっと愚痴っていた。本音で言って「人を助けたんだから気持ちいい!」なんて純粋に言えればどんだけラクなことか。
人助けなんて慣れている(-_-) 謙遜なんてする気もしねぇ!(注: 筆者は疲れております)
そして家でもずっとその件を愚痴っていたら・・・・・
ハウスキーパー2号が「でも遭難者を助けることってなかなかできることじゃないから男前ですよ!」って言ってくれたので・・・
「そーなんですよ!」って答えたら、オヤジギャク罰金に抵触とのことで、ずっと冷やし続けていたギネス黒を冷蔵庫から強奪された。しょっく。
後日、悔しいので、その医師の友人などそのときのメンバー数名で移動時間も含めたった8時間の強行軍でベースジャンプ敢行。誰も怪我もなく、天気も快晴、凄く気持ち良かった。もしかしたら山(岩壁)の神様はいるのかもしれない。
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