大手電機メーカーの「富士通」は、日本では事業仕分けの対象とされた「次世代スパコン=スーパーコンピューター」について、先端技術の研究開発の強化を国の政策の柱とするシンガポールの政府機関と共同で研究を進めると発表しました。
富士通は2年後の実用化に向けて開発を進めている次世代スパコンについて、その要となるソフトウエア分野の研究を、シンガポール政府の研究機関と共同で行います。具体的には、双方の研究者20人による共同チームを作り、化学や情報通信、電子工学などさまざまな分野で次世代スパコンの能力を生かした高度な計算やシミュレーションなどを行うということです。次世代スパコンは、日本では事業仕分けの対象として「予算計上の見送りにかぎりなく近い」と判定され、来年度の予算案では最終的に開発費の一部が削減されました。一方、GDP=国内総生産の3%を先端技術の研究開発に充てることを国家目標に掲げるシンガポールでは、次世代スパコンは科学技術の基盤と位置づけ、政府が研究者の招へいに力を入れるなど、日本とは対照的に予算措置を拡大しています。
ソース元:
NHKニュース
富士通は日本を見限ったのだろうか?
このプロジェクトは富士通が理研と進めるプロジェクトと競合する。富士通の気持ちは解らないでもないミジンコなので非常に複雑な心境だ。
事業仕分けされた予算の大部分が復活したとはいえ、日本政府に感じたリスクまでは払拭できなかったということか。心から残念だ。
わざわざ虎の子の「スパコン開発ができる技術力」も「人材」も手放そうとしているアホな国がいたら、そりゃ、他の国が手を挙げる。富士通はグローバルに事業展開する民間企業なわけで、条件が整っている、即ち勝てるパートナーを選ぶのは当然と言えば当然の選択ではある。
返す返すもあの事業仕分けってのはなんだったのかと歯ぎしり中だ。あの仕分け人たち、この状況をもってしてもまだ例の仕分け作業中に発した数々のスットンキョウな質問を省みないのだろうか?
昨今のシンガポール政府による技術者のリクルーティングは凄まじく。名のある技術者たちが次から次へとシンガポールに引っ越してはシンガポール政府が推進するプロジェクトに参加していることは話題にはなっていた。資源の無いシンガポールは、技術立国となることが生き残りの道だという明確なビジョンを打ち出しており、今まさに断固たる決意でそれを実行中なのだ。
正直言って、経済的な成功を収めたとはいえ政府の独裁色の強いシンガポールはミジンコがそれほど好意的に見ている国では無いのだが、この国の政治は日本よりも遥かに国民を重視していることは認めざるを得ない。
シンガポール首相 リー・シェンロン ― 外国人に対しての政府見解について
「はっきり申し上げます。外国人労働者はバッファー(調整弁)です。シンガポール人に選ばれた私が、シンガポール人の利益を後回しにしてまで外国人労働者の利益を保証したり、促進したりすることは断じてありません。 この国で外国人が働けるのは、あくまで国家からの恩恵であって、彼ら外国人の権利などでは決してないのです」
一方、日本の首相は「国というものがなんだかわからない」とのこと。そして日本人の利益よりも宇宙共通の利益に興味がある模様。日本人とそこらへんに転がっている石っころを等価とされても困るんだが、どうも鳩山由紀夫の友愛とはそういう理解不能な領域にある妄想・・・もとい発想らしい。
スパコン技術のシンガポールへの流出。
毅然と自国民の利益を語る首相のいる小国に日本の心臓が奪われたようなものだ。政治が国を変えるというのはまさにこのことだ。日本の政治屋たちは恥じるべきだ。
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