どうにも叩き辛い作品ではある。映像の作り方やバックミュージックなどが妙に洗練されているのだが映画自体は「なんだかなぁ~」という退屈さ。
作品の冒頭で「これは恋愛映画ではない」と断言しているし、おそらく監督の昔の女に対して「bitch(クソ女)」とまでメッセージで伝えている。たぶん、その昔の女と作品のヒロイン(?)であるサマーという女性を重ねているのだろう。
それにしても登場人物たちがことごとく野暮ったい。主人公を含めてそうなもんだから、作品中に出てくるパソコンや携帯電話、ニュージャージーから見える景色などを分析して、これは現代のドラマなのだと結論づけたほど。登場人物たちだけを見ていると30年前の話と言われても違和感がない。なんでみんなあんな服装なんだろう?
まだ主人公はなんとか見れる男なのだが、肝心のヒロインのサマーが魅力のカケラもない。ブサイクとまでは言わないがフツーなのだ。フツーにそんなにキレイでもなく、フツーな体脂肪率。よくハリウッド作品などでモテないという設定の女性がとんでもないスタイルな上にメガネを外すと絶世の美女になったりするが、この(500)日のサマーのサマーはなんのサプライズもない。フツーにフツー(苦笑)
しかし、そんなサマーだからこそ、この作品にオチがつくのだとラストで理解した。なるほど、監督は狙ってサマーをそういうフツーの女性に演出したのだろう。そう思うとサマー役の女優はすごい演技力なのかと思えてくる。魅力はないけど。
まぁ、この作品が言いたいことには同意。運命の出会いだとか自分に言い聞かせて頑張ってしまう恋愛なんて所詮は思い違いってこと。人間そんなときには周囲の意見なんて邪魔な声にしか聞こえないんだろうけれど、「別れて目が覚める」なんてことは珍しくもない。
だからドイツもコイツもオランダも俺に恋愛の相談は一切してくんな、時間の無駄だ!おまえら、どーせ別れるんだよ!(キッパリ)
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