ミジンコラム | 画像をちょっとだけ斬る! | ニュースをちょっとだけ斬る! | ハケンジャーたちよ、聞け! |
オサマ・ビンラディン死亡の報を受けてワールドトレードセンターのあった場所(この名称はどうかとは思うが)グランドゼロに於いてニューヨーク市民たちが総出で「Yes, we can!」のシュプレヒコールを上げているとか。
こういう集まりで大騒ぎしているバカヤロウたちに限って自分たちよりも若い命を戦場に差し出して、その若者たちにアサルトライフルを持たせて人殺しをさせて安全な場所で安眠している。
オサマ・ビンラディンという男が3,000回殺されてもミジンコは同情しないが、ワールドトレードセンターのあった場所、そう、まだ多くの犠牲者の遺体が残されている地で殺人を肯定するかのような「Yes, we can!」はないだろうに。
因果応報というものはあって然るべきだと考える。オサマが9・11の犠牲者たちよりも10年も長く生きることには憤りを感じていた。オサマが死んでやっと人生の一区切りをつけられる心境になった人々はゴマンといることもよく理解している。ミジンコもその一人なのだから。それでもこの表現は悪いかもしれないが、米国各地で真夜中でも起きている大騒ぎ、歓喜の声はアルカイダのテロリストたちだけではなく、イスラムの人々もしっかりと見ているはずだ。このアメリカ人たちのドンチャン騒ぎによって1時間で万というテロリスト候補が生まれている。
オサマの死は避けられないものだったとは思うが、オサマの死で9・11ならびにアフガン侵攻によるアメリカ軍だけではなく全ての犠牲者数に更に今回の潜伏先襲撃での犠牲者を足してもう犠牲者の足し算を終わりにしよう、もう犠牲者は一人も出さないようにしようと誓うアメリカ人はいないものか?
そりゃ復讐が達成されたのだから喜ぶ気持ちはあるに決まっているのだろうが、こういう「USA! USA! USA!」には吐き気がする。そういや自分がアメリカ移住について思い悩んでいるときにブッシュのアフガン侵攻への演説と拍手喝采のVTRを見て、更にブッシュの支持率が90%を超えたときにアメリカ人になることを躊躇したんだった。今も昔もアメリカのこういうところが大嫌いだ。
襲撃でオサマの息子たちも死亡したとか。それをザマーミロと取るか、親のせいで人生の選択肢がテロ組織での活動しかなかった息子たちの不幸を少しは感じ取るか、そこがテロの連鎖をいつか断ち切るヒントになると考えているのだがどうだろう?
オサマ・ビンラディン死亡の報を受けてオサマの死も悲劇のひとつだと受け止めるアメリカ人たちの姿が世界に配信されていれば今後の対テロ戦争も変わっていっただろうに。復讐が虚しいだけだと伝える絶好の機会だったのにアメリカ人たちは自らその機会を蹴り飛ばした。愚かなことだ。
オバマ大統領もせめて9・11以降の大量の死への報いとして、更にオサマとオサマの警護者たちの死をもたらしてしまったことは悲劇だったと認めれば良いものを支持率が気になったのかそこには触れず終い。残念だ。
テロ戦争の新たな局面を迎えた。もっと多くの命が失われることだろう。「Yes, we can!」だとか言っている場合じゃない。