東電社長 企業年金削減を拒否(東京新聞)
一部抜粋:
参院予算委員会は十三日午後、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故について集中審議を行った。参考人として出席した
東電の清水正孝社長は原発事故の賠償財源を捻出するため、社員の退職金や企業年金を削減すべきだとの指摘に対し「老後の生活資金に直結する。現時点では検討していない」と拒否した。
福島県民ならびに東日本の多くの住民の人生を奪っているという認識は東電にはないようだ。放射線の影響で発ガンする人々はこれから万という単位で出ることだろう。裁判になったところでその因果関係を証明するのは途方もない苦労が伴うだろうが、どう見たって異常なほどの発ガン率が明らかになってくるであろう5年、10年先のことを考えれば、東電が自社の社員の老後について語っていること自体が恐るべき厚顔無恥さだ。
いったい毎度毎度飛び出す東電社長の土下座はなんなのか?土下座をしているのは何度も見たが実際の行動は土下座をしつつ放射線被害に遭っている人々にアッカンベーをしているようなものだ。東電が税金で救済されずに自力で再建するのであれば別に企業年金にはなんの異論もない。実際はそうではないだろうに。税金でなんとか救われる企業が企業年金はガッチリと守り抜いて、賠償金は国民が払うという仕組みがおかしいと言っているのだ。すべてを失ってから税金での支援をお願いするのが筋だということ。企業年金についての話だ。厚生年金や国民年金の話ではない。そこを東電は本当に理解しているのだろうか?理解してもなお「老後の生活資金に直結する。現時点では検討していない」とほざいているのならば、国民は税金投入なんぞ「検討していない」と言ってもいいはずだ。
さらに驚くべき情報がある。
東電トップ報酬半減でも3600万だったなんて(YOMIURI ONLINE)
海江田経済産業相は14日、テレビ朝日の番組に出演し、東京電力の役員報酬について、「驚いたが(一部の首脳は)50%カットで3600万円くらい。ちょっとおかしいので、もっと努力してほしいと言った」と述べ、東電に対し、一段のリストラを求めた経緯を説明した。
役員報酬はもともと7200万円前後だった計算になり、役員を厚遇してきた企業体質に改めて批判も出そうだ。
東電は当初のリストラ策では、常務以上の役員報酬は50%カットだった。しかし、政府・与党内でリストラの大幅な上積みを求める声があり、東電は、勝俣恒久会長、清水正孝社長ら代表取締役8人の役員報酬を5月から当面の間、全額返上することを決めた。
批判が集中してやっとたった8人の取締役が役員報酬の返上を決めたわけだが、ほんのちょっと前まではしっかりと50%、しかもその額3,600万円を受け取ろうとしていたのが、あの土下座社長ならびに東電取締役たちなのだ。
驚いた。本当に驚いた。どういう神経をしていればこの事態を招いておいて3,600万円の報酬を受け取れる気になれるものなのだろうか?
しかも今もって「当面の間」とのたまっている。もう充分に質素どころかそこそこ裕福な生活が送れる資産があるだろうに、それでも今後再び、役員報酬を受け取ろうとしている取締役たちがいるようだ。この取締役たちは退任するまでに自分たちが報酬を貰えるべき立場かどうか、一度カウンセリングでも受けた方が良い。
日本では滅多なことでは過激な行動に出る者はいない。そういう土壌が今の東電取締役たちの言動に影響しているのだろうと見ている。しかしながら、敢えてミジンコは言いたい。そういう時代がいつまでこの日本で続くだろうか?と。非常に残念なことではあるが、今後の日本で放射線被害に遭ったことが明白な人々がいったいいつまで自重できるのか?という話だ。今のうちから東電は誠意ある言動に努めるべきだろうに。東電はあんまり人の心を軽く見ないほうがいい。土下座をするのであれば、それはその後の行動が伴っていないと被害者にとっては虚しいだけだろうに。
東電の取締役たちは自覚するべきだ。現実を見るべきだ。今後、望んではいなかったが中絶する人たちが増加することだろう。子供が若いうちから我が子の甲状腺ガンに苦しむ親も増えることだろう。甲状腺を摘出した後でもその子供たちは転移の恐怖に苦しみ、それを彼らの親たちは一緒に苦しむのだ。働き盛りのとき、子供の成長をまだ見届けたいときにガンで命を落とす親も増えることだろう。放射線被害というものはそういうことだ。それが何十万人に及ぶのか、何百万人に及ぶのか、何世代後まで続くのか、前例がないほどの事故が起きて、しかも解決のメドさえ立っていないのが現状だ。テレビをつけると芸能ニュースが多いが現状はそうなのだ、変えようがない。
それでも東電取締役たちは東電社員の退職金の減額も企業年金の減額も検討すらしていない。つい最近までは3,600万円を貰う権利があると考えていた。
ふざけるのもいい加減にしろ。
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