東日本大震災から3日後に
ボランティアは無理にするものじゃないよという題名の記事を書いたことがある。被災地の都合よりも自分たちの「助けてあげている」という自己満足を優先する自称ボランティアが被災地に多大な負担となることを懸念したが故の記事公開だった。あれから3年弱、伊豆大島でもボランティアだと自称するモンスターたちが暴れているようだ。
伊豆大島に支援活動をされてきた女性がこういう題名の記事をご自身のfacebookにて公開されている。
【伊豆大島の今~島外ボランティアさんのワガママと島外議員さんの高圧~】
非常に考えさせられる内容の記事だ。災害が起こるたびに呼ばれたわけでもないのに被災地に乗り込んで現地で食糧・水を消費するばかりか宿泊施設まで無償で要求する自称・ボランティアは問題になっている。ボランティアを自称しながらも被災地にとってはマイナスにしかならない存在、いわば自己満足ボランティアたちだ。被災者たちの満足ではなく、自分たちの満足感を追及するモンスター軍団、その存在自体が被災地での歩く二次被害となっている。今回はそれに輪をかけて国会議員までそれら自称・ボランティアたちの迷惑行為に加担して被災地の負担と化しているようだ。まったくもってやり切れない話だ。
このfacebookで問題提起をされた女性の述べている懸念は全て最もなことだ。この女性は誰がその国会議員であるのか濁しているが誰なのかは明らかだ。山本太郎議員だろう。被災地に赴いている議員でスーツ姿ではなく、選挙中は熱弁を振っていた元俳優といえば同議員しか該当しない。正直いって「またこの男か・・・・」と、この議員の問題な言動を取り上げているとキリがないという気はしているのだが、それでも今回のことは余りにも酷いことなので無視するわけにもいかない。山本太郎は被災地で懸命に働いている人々に対して「ボランティアが寝る場所がないって言っているじゃないか!!!宿泊料金が高くて泊まれないって!!!今、町長に、ボランティアたちが無料で寝る場所を確保しろって言ってきたからな!!!」と叫んだのだそうな。
宿泊費用が高くて泊まれないというのならば初めから来るべきではないのだ。ボランティアをする前に先ずは自分の生活をしっかりするべきだ。勝手に被災地にやってきて被災地に対して無料で宿泊施設を提供しろとのたまう傲慢さ、この時点で既に災害支援ではなく被災者を更に苦しめる災厄と化しているとなぜ山本太郎は気がつかないのだろうか?
支援活動というものは自分の人生の中で余裕の更に余裕がある部分でのみ参加するべきだ。例えば当ブログで皆さんからもご協力を賜ったブログ運営元が企画した被災地に本や漫画を贈る支援活動などは好例だった。支援者は本や漫画の輸送費と要らなくなった書籍を負担してくださった。支援者が無理のない程度に支援を行い、その支援が被災者たちの負担とは決してならない仕組み、それ以外の支援活動、すなわち自分たちのことで精一杯の被災者の方々の労力を必要とする支援活動なんてボランティアじゃない。被災者たちからしてみれば泣きっ面にハチだ。天災によって苦しめられ、人災がボランティアと称して宿泊先のめども無いままにやって来たのだ。悪夢だ。
伊豆大島が果たして無料宿泊施設を提供する余裕があるのだろうか?なんの支援ができるやも分らない支援活動のド素人集団のために彼らの保護者のように被災者が働かなくてはならなくなった。そんな自称・ボランティアが来ずに、そしてなによりも支援活動の根本を理解しないで被災者に発狂するクソッタレな国会議員がいなければ伊豆大島の負担はもっと軽減された。
人としての当たり前の話をしたい。犠牲者の数も日に日に明らかになっている。小さな町で大きな犠牲だ。犠牲者の方々の親族、そして親交深かった被災者の方々も多いことだろう。いわば少し大袈裟かもしれないが町全体が知り合いのようなものだ。被災者たちは家族を失い友人を失い家を失い大切なペットを失った。みんな傷ついているのだ。その心の傷を負ったばかりの人々に初対面の旅行気分の自称ボランティアたちがズケズケと被災者の心労にも配慮せずに「寝るところを無料で提供しろ!」と叫んでいるのだ。被災していない日常生活を送っているときでも呼んでもいない赤の他人たちがいきなりやって来て「無料で泊めろ!日常の世話をしろ!」と言ってきたらどうだろうか?傷ついている人々にはいちいち余計な声をかけることが暴力だ。支援者は現地の被災者には気がつかれないくらい静かな存在でいることが当たり前だ。影や空気のような存在に徹して誰がなにをしたのかも被災者たちが覚えていないくらいが丁度良い。それがボランティアというものだ。いちいち「今自分はここで助けていますよ~」なんてアピールするボランティアなんているだけ邪魔ということだ。そのボランティア活動の本質を山本太郎も宿泊費も用意せずに被災地を訪れた自称ボランティアたちも分かっていない。[51回]
PR