ジョージ・W・ブッシュがやっとホワイトハウスから去る。
世界にとっては、とてつもないリスクを抱えた8年間だった。
なにしろ世界で最も軍事力を保有する国家の大統領が空前絶後のヴァカだったのである。
ミジンコが思うに、ジョージ・W・ブッシュはイヤなヤツではない。
むしろ陽気なオッチョコチョイで愛されるべきキャラクターなのかもしれない。
指導者にさえならなければ彼に向けられた批判は今の100兆分の1以下になったであろう。
ブッシュ家に生まれなければ、能力不相応なイエール大学に進学し
強引に卒業することもなかったろう。
ブッシュ家の長男でなければ、テキサス州知事になることもなかったろう。
ジョージ・W・ブッシュでなければ、敗北したはずの大統領選で勝ったことになって
大統領に就任することもなかったろう。
ジョージ・W・ブッシュが全てを望んで今の立場にいたわけではないとは解ってはいる。
選択肢が無かった人生には同情さえする。
あの楽観的な性格でなければ、彼はとっくに潰れていたかもしれない。
それでも全てを「運」だの「運命」だので片付けるわけにはいかない。
ジョージ・W・ブッシュがイラク戦争を始めた張本人であることは揺るがない。
周囲の悪魔たちにいくらそそのかされたとは言っても、彼が大統領だったのだ。
イラクではアメリカ人もイラク人も大量に亡くなっている。
ジョージ・W・ブッシュの戦争を行うという決断で皆が命を落としたのだ。
アフガニスタンでは終わりの無い戦争続行中。
世界中にアルカイダ系テロ組織が増殖したのは西側諸国、特にアメリカへの憎悪が最大の理由だ。
テロリストを生み出す構造「復讐の連鎖」は誰もが理解していたはずなのに、
それでも石油や兵器で金儲けがしたかった悪魔たちがホワイトハウスには確実にいた。
責任は取るべきだ。
ジョージ・W・ブッシュも判断力に欠ける彼をそそのかしていた側近たちも、
ロビーイストに指示するだけで戦地の犠牲者たちの血の一滴も見ないまま
自社の業績を上げ、体脂肪だけ増やしている企業トップたちも、
何万、何十万名もの命を奪ったことの償いをしなければならない。
もうすぐオバマ新政権。
戦争犯罪者たちが裁かれる社会になって欲しい。
最近よく言われているのは、ジョージ・W・ブッシュは、トルーマン大統領のように
「大統領就任時には不人気でも後世では評価される大統領」になりたいと
考えているようだ・・・という噂。
馬鹿げているにも程がある。
一万年経ったところで「ブッシュが愚かな大統領だった」という評価は揺るがない。
自分がいったいどんな罪を犯したのかをジョージ・W・ブッシュに教えることは、
米国市民に限らず、例外なくテロの驚異にさらされている世界の人々の務めだ。