テレビ朝日の朝の情報番組での解説。あくまでも漁船に乗っていた目撃者の証言としてここまで詳しく図解しているその姿勢が卑怯だ。あくまでも目撃証言なので事実かどうかは分からないとした上でこうやって放送すればそれをそのまま信じてしまう視聴者たちだっていることだろうに。そういう信じてしまう視聴者狙いで放送したとしか思えない卑劣な行為だ。
言うまでもなく全長180mの大型輸送船がこんな旋回はできない。フォークリフトじゃあるまいしこんな鋭角に曲がれるわけがないのだ。しかも船長すら衝突直前まで回避行動すら取っていない状況下で漁船の客がこんなに詳細に全方位的に周囲の船舶の動きを把握していたのか否かは検証の余地が大いにある。この図解だけ見るとまるでおおすみが漁船を追いかけて追突しているかのようだ。2隻がどういった航路であったのかはGPSの解析を待つべきであって早計にこのような図解を放送するとは無責任にもほどがある。そもそも証言を1名のみから聴取してそれをそのまま図解にして解説ではなんの客観性も担保していない。少なくともおおすみ側の証言や第3者の目撃証言を参考にしてもっと客観性と中立性を保つべきだろう。
前日の同じくテレビ朝日で古館一郎がこの事故の報道の最後で唐突にこの事故と特定秘密保護法をつなげて政府がこの事故を隠蔽するのではないかと不安になる旨を述べていた。余りにも突拍子もない発言にテレビを見ていて唖然とした。今自分たちが自由にこの事故を取材し報道できているというのに政府が隠蔽するかもしれないと言っているのだ。じゃあ、どうやってテレビ朝日は取材ができたのだろうか?そもそも散々この事故の様子を放送しているわけなのだが番組関係者たちに逮捕者でも出たのだろうか?テレビ朝日が今この時もこの事故を取材し放送できていること自体が、特定秘密保護法が自分たちが視聴者を怖がらせるように伝えているものとは異なるという証明になっている。
おおすみはオスプレイを搭載できるようにする為の改修のために出港していた。180mのその艦体は機能としては空母とはかけ離れているが「日本が空母を作ったー!」といつもの面々からは噛みつかれていた。要はおおすみを叩きたくって仕方のない連中にとっては今回の事故はまるで願ったり叶ったりということなのだろう。亡くなった方々のいる事故だが残念ながらそういう側面のある事故だ。おおすみがオスプレイを載せて活動することを絶対に阻止したい、そんな国やら団体やらがいるという事実を踏まえて国内のいびつな報道姿勢を見ていかなければならない。
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