余り弁護士が発表したことの言葉じりだけ捉えてあーだこーだと言うこともどうかとは思うが更なる「ガッカリ感」について。小保方さんのSTAP細胞検証実験への参加について、彼女自身が弁護士を通じて述べた「生き別れた息子を早く捜しに行きたい」という表現、「捜す!?」と感じた。
もう小保方さん自身がなにをどうしたいのか分からなくなってきた状況なのでいちいち細かいことには気を配れなくなっているのだろうが「捜す」はおかしい。いつでも再現できるはずの実験、しかも過去に200回も成功しているとする実験なのだから、実験自体には苦労しないはずなのだ。捜すだの検証だのそういった試行錯誤の段階ではなく、本来は実験をやれば必ず成功するはずのことなのだ。それが200回という数字の重みだ。
ここまでの状況ともなると小保方さんと弁護団のやり方にいちいち反応することが思う壺ということなのだろう。不毛な言い争いからはなにも生まれないのだから。先ず、小保方さんだけではなく、いわゆるほとんど裏を取らないままにSTAP細胞があるとしてしまった小保方さんの上司にあたる人物たちが責任を明確にし、その後、解雇も含めた懲罰を受け入れることだ。小保方さんだけでここまで大きな話にならなかったことは明らかであり、そこは理研の今までの体制は批判されて然るべきであるし、その小保方さんの後見人のように振る舞っていた理研ならびに各大学の研究者たちもその過去の安易な言動については認めることからがこの問題を整理するスタートだ。論文撤回だけで済ませるなということだ。論文撤回をしても小保方さんの信用度を増すことに加担した諸先輩方の責任が消え去ったわけではない。これは社会の常識だ。どんな組織でも部下の後ろ盾になった上司は部下がやらかしてしまった時には責任を取らなければならないのだ。それは当ブログの管理人のような民間企業での上司という立場でも理研でも大学機関でも同じことだ。
STAP細胞のようななにかしらの刺激で変異する細胞の存在までは否定されるべきではないが、小保方研究チームが「ある」と主張しているSTAP細胞とされるものの存在はもはや議論するだけ虚しい感じさえする。理研の検証実験に参加しないと再現できないといったものではなく、今までの小保方さんと代理人弁護士の主張に沿って考えれば、本来は小保方さんはすぐに再現できるはずなのだ。でもそれを一向にやらない。声明を発表するよりも1回の実験で全てが解決することをここまで引き延ばしていることで既に答えは出ている。
小保方さんは今も理研に在籍している。今、彼女と彼女を支える代理人弁護士が行動に移すべきことは世間をイラつかせる声明を発表することではなく、理研との契約期間満了を待たずに辞職を申し出ることだ。STAP細胞の有無に関わらず、小保方さんはずっと職責を果たしていない。体調不良を訴えてはいるものの、それも休職が妥当とされるような明確な病名が示させるわけでもなく、現状、彼女の半年間という長期休職の理由としてはいささか無理がある。理研からのSTAP細胞検証実験の前での解雇は法廷闘争を考えると難しい。だからこそ小保方さん側からの退職の申し出がこの混乱した状況のせめてもの救いとなることだろう。働かざるもの食うべからずというのは厳しいのかもしれないが研究しない者は研究費(給料)を延々と使うべからずだ。理研は民間の研究機関ではないのだ。割り当てられた研究費からなにも生み出されない可能性が高いと分かっているのならば、その研究費は他の研究に投じられるべきだ。なるべく早く研究費の浪費を止めればそれだけ他の研究を支えることができるのだ。
[28回]
PR