もはや問題発言の鉱脈扱いされている塩村都議。過去の言動というものについては誰しも後から追及されれば困ったことになる事もあるかなと思う面があるが、塩村都議の場合はその数と内容が余りにも酷い。都の有権者たちが自戒する為にも塩村都議の過去の言動を掘り下げるなとは言いたくない。山本太郎然り、この塩村都議然り、誰かが投票しなければ当選はしていないのだ。そうは言っても今回の都議会での言葉の暴力についてと塩村都議の過去の言動についてごちゃ混ぜにして論じることもフェアではないと考える。都議会で起きた野次とは到底認められない言葉による人格攻撃は許されないことだ。それが過去にはむしろ女性の権利を侵害するような番組制作に参加していたり、女性そのものを侮辱するような言動が多々見られるような女性都議が対象であろうとも都議会での件では被害者であることは間違いない。塩村都議に女性蔑視の罵声を浴びせた都議たちは辞職するべきだ。
塩村都議が都議会議長に提出した「処分要求書」には「自分が早く結婚すればいいんじゃないか」「まずは、自分が産めよ」「子どもを産めないのか」「子どももいないのに」が侮辱にあたる不規則発言として記載されていた模様。これを知りおかしいと感じた。「産めないのか?」とピッタリと符号する不適切発言はない。一番近いものが「子どもを産めないのか?」だろうか。この発言を塩村都議は「産めないのか?」と省略してマスコミなどに伝えたということだろうか?
噂では散々出ていた。そもそも「産めないのか?」、またそれに類するような野次を聞いた都議がいないということを。それでも「産めないのか?」という野次が一人歩きし出して、塩村都議は外国人特派員協会で記者会見まで行っていた。問題発言を認め謝罪した鈴木章浩都議は「早く結婚したほうがいいんじゃないか」という発言は認めているが「産めないのか?」については絶対に言っていないと主張している。各マスコミがこぞって音声解析を行ったようだが「産めないのか?」もしくはそれに近い野次は確認できていないようだ。その野次が抽出できているのならばとっくにその部分の音声をニュースで流していることだろう。かろうじて「自分が産んでから」という野次を抽出したテレビ局があったようだ。しかしそれも酷い言葉の暴力とはいえ、「産めないのか?」ではない。当ブログもそうなのだが「産めないのか?」が最も酷い大問題発言だったと捉えている。勿論、その発言があったことが前提だ。海外メディアでも「産めないのか?」を中心として日本が女性蔑視の酷い国といった報道のされ方をしていることに憤って先日こういう記事を書いた→
日本はそこまで女性差別大国だろうか?
もし「産めないのか?」という野次が無かったのだとしたら、すぐにでもその事を塩村議員は認めてもう1度外国人特派員協会で記者会見を行い、そんな事実は無かったと発表するべきだ。そうでないと日本を貶めたい海外メディアは延々とこの存在したかも怪しいオバケのような「産めないのか?」について都議が都議会で大声で野次ったと伝え続ける。事実に基づいて日本の社会を批判されるのならばまだ致し方ないことであるし、反省もしようとも思えるが最初から無かったことについてまで延々と「日本の女性差別は酷い!」と海外で罵られるいわれは断じてない。塩村都議は自分の過去の言動によって都議の仕事どころではなく大忙しのようだがこの「産めないのか?」についてはちゃんと説明する責任がある。
そもそも性別による差別の問題だったのかについての議論も塩村都議自身が本来は語るべきことだった。当初は塩村都議もなにやら次々と登場してきた地方行政から国政までの女性議員たちも「塩村都議に向けられた不適切発言」について、全て女性差別の問題として扱おうとしていた向きは確実にあった。当ブログでは、「女性だから」ではなく「塩村都議だから」、放たれた暴言があったのだと見ている。どちらにせよ、野次自体が断じて認められない民主制議会への冒涜ではあるのだが、壇上に立つ議員によって、またその議員の主張する政策と過去の言動との矛盾によって他の議員から放たれる野次というものはある。そこはちゃんと有権者たちも全体像を把握するべきであるし、マスメディアも都合の良い部分だけを抜粋して報道するのではなく、塩村議員のバックグランドを報道するべきだろう。男である当ブログの管理人でさえ、塩村議員が放送作家として作っていた番組はかなり女性を馬鹿にした内容であると感じている。ただ女性のスカートがめくれてパンツが見えれば良いとか、ガラス板をアイドル候補者たちに舐めさせるような番組は女性だけではなくそれを見て喜ぶと思われている男性も馬鹿にしたものだ。
野次はおかしい。女性への差別発言も許して良いはずがない。ただし、それは本当に放たれた言葉についてのみ議論、処罰されるべきことであって、もしこれだけ日本だけではなく海外でも騒がれている「産めないのか?」がそもそも無かったのだとしたらこの騒動の根幹が揺らぐ話だ。「~~~~~はありま~す!」と言ったところでなんの説得力もない。音声データとしてそれが確認できないというのになぜに塩村議員はそういう野次があったと述べているのか?既に当ブログで実際に確認しただけで29ヶ国の報道でこの「産めないのか?」という野次が都議会で放たれたということになっている。(フランス語はできないが)多言語を使う身はこういうときむしろ辛い。ちょうど世界各地を渡航していた時期なのでイヤでもこの報道が目に入ってきたのだ。そしてまたすぐに渡航だ。日本に全然いないというのにずっと世界で日本のこの恥ずかしいニュースに触れることが本当にウンザリする。もし「産めないのか?」が本当は無かったのだとしたら酷い話だ。もし「無い」のであれば絶対にその事を世界に向けて発信するべきだ。日本にだって女性差別が全くないわけではないであろうし、改善するべきことは改善していくべきだ。ただし、そういう改善というものは事実に基づいて行われるべきことであって、今問題となっているような日本が女性に対して極悪非道で無慈悲な差別を日常的に行っているような国であるといった余りにも現実と乖離したことをベースにして改善案を作っていってはおかしなことになる。塩村都議が典型的な女性差別の被害者のように海外マスコミは報じているが、海外メディアは日本の駐在員でさえ漢字が読めないといったレベルなので全然この塩村都議のことを把握できていないように見える。塩村都議を悲劇のヒロインにしたほうが日本叩きニュースを作り上げ易いという事情もあるのだろう。塩村都議もそこまでは意図していなかったようにも見えるが日本に随分をダメージを与えてくれたものだ。さて、これから長い歳月をかけて世界各国でこの件の真相を現地の人々に地道に伝えていく旅だ。ああ、もうっ!(怒)
[23回]
PR