新疆で漢民族数万人がデモ 暴徒化、ウイグルと対立激化(デイリースポーツオンライン)
この暴動並びにその後のウイグル族と漢民族の対立、正確に言えば殺し合いを知るにつけ、村上春樹のイスラエルでのスピーチが思い出される。
ちょうど今日もイスラエルのある企業との電話会議、こちらの不手際で会議開始が遅れたにもかかわらず先方は非常に紳士的な対応で恐縮した次第。
イスラエルの人々は総じて温和、冗談で言っているわけではない。コマンド訓練を受けている人たちではあるが闘いを望んでいる人々とは到底思えない。
ところがパレスチナとの問題に関しては「国家の威信」というやつが浮上してイスラエル人、果ては世界中のユダヤ人たちが譲らない態度。
国歌というやつが恐ろしく感じる瞬間。
中国人、この場合はウイグル人と漢民族か、彼等が憎しみ殺し合う構図も世界の国家間の対立や民族間と対立と共通した敵対する個人個人に恨みはなくとも、相手を民族として捉えると途端に「殺害することすら正義」という異常な発想に転じる。
こういう対立を見るにつけ、民族とか国家とかそういった枠組みは、戦争のために用意された発火剤に思える。
ウイグル人と漢民族のどちらに正義があるといった事態ではない。
それでも中国政府の発表はどう見ても漢民族を被害者のように表現する。ウイグル族に正義があるとは言うまい。特にウイグル族のアジテイターたちの責任は重い。
ウイグル族に全ての責任があるかのごとき報道の仕方が通じる世界ではもう無いだろうに、それでも中国政府は相変わらず中国政府のやり方が通じると思っているらしい。
携帯電話ひとつで世界中に編集されていない動画が配信できる時代になったというのにだ。
新華社通信から配信される映像はなぜか被害者が漢民族ばかり。血を流し、酷い暴行を受けたと思われる漢民族の人々の映像ばかりだ。
射殺されたウイグル族の人々の映像は?
ウイグル族側の主張をそのまま鵜呑みにするつもりもないが、客観的な情報だけでもウイグル族の被害の方が甚大だ。
なぜ映像ではウイグル族の悲惨な姿は写らないで、警官隊に向かって投石をするウイグル族の姿は流されるのか?
漢民族もどうかしている。デモ行進で「ウイグル族を殺せ」と叫んでいたようだが、それはもはやデモではない。
こういう「殺せ」と叫ぶ漢民族はウイグル族を同じ中国人とは捉えていないのだろうか?
「殺せ」なんてことを煽動するのは異常だ。どんな対立があろうとも、誰も死なないことが一番良いことじゃないか。
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