悪い意味でブレていない。民主党は相変わらず嘘つきだった。今やマニフェストという言葉はまったく信頼感のないものとなった。「マニフェストに書かれている」と日本人が聞いたところで「だから何?」といったリアクションしか取りようがない。それもこれも民主党政権が発足する前の民主党マニフェストが原因だ。到底実現できないようなことをマニフェストと称して並べ立てて有権者たちを騙したのだ。財源を示さないで掲げられた夢のようなバラ撒き公約の数々、当然、財源も無ければ、計画を推進する気がある議員もいなかったのだから実現するわけがなかった。騙された方も軽率ではあったとはいえ、騙している方が悪いに決まっている。
嘘をなんとか肯定する為、または時間を稼ぐために更に嘘をつく愚か者たちがいる。それをやると事態は悪化の一途を辿るというのに根っからの嘘つきたちはそれをやる。そう、民主党の常套手段だ。毎度毎度、テキトーなことを言っては、その矛盾点をつかれると更に嘘で開き直る。民主党の生態のようなものだ。今回の岡田代表の一連の発言もまさにそれ。メルケル首相が来日中に岡田代表との会談で述べたとする従軍慰安婦問題の解決に日本政府が努めるべきとする発言をドイツ政府が否定したのだ。そんなことをメルケル首相は発言していないとドイツ政府は主張している。
密室でのドイツ首相と日本の野党党首との会談であり、結局のところ「言った言わない」というやっかいな事態となってしまう。それでもその後の岡田代表のいくつかの発言で誰が嘘とついたのかは明らかだ。国民を馬鹿にするのもいい加減にしろ!ということだ。
先ず、ドイツ政府の否定と受けて岡田代表は「私も
かなり丸めて言っているが、(メルケル氏が)慰安婦問題を取り上げたことは紛れもない事実だ」と国会内で記者団に囲まれたときに述べている。「かなり丸めて」という表現自体が煙に巻くような言い回しで卑怯だ。結局のところ「丸めて」とは変形させて、つまり、メルケル首相の表現を変えて伝えたと認めている。一国の首相、しかもユーロ圏の主導的立場の国であり日本と同じくG7の国のリーダーの日本政府に対しての提言が(ドイツ政府は否定しているが)あったとして、それを「丸めて」から外に出して良いはずがない。ドイツ政府の意向を勝手に作り上げて「日本政府はこうドイツに批判されている!」と岡田代表はしでかしたのだ。代表辞任どころか国会議員も辞するべき暴挙だ。他国の意向を勝手に捏造して政権与党に打撃を与えようなどとは前代未聞の野党党首の犯罪行為だ。大袈裟に聞こえるかもしれないが、こういうことでも外交は破綻するし、最悪の場合は国交断絶や戦争といった最悪の事態の遠因となるやもしれないのだから、「外国の意思の捏造」は絶対に許されない政治家の犯罪だ。
そして後日の岡田代表の弁明は以下のとおり。
「慰安婦問題はメルケル氏が持ち出し『日韓両国は非常に大事な関係だから、この問題を早く解決した方が良い』と(言われた)」
「『日本政府に』とは言っていない。誰がとは言っていないが、解決した方が良いという話だった」
・・・と随分と当初述べていたニュアンスから内容を変質させている。そもそもこの内容ではあまりにも抽象的だ。「日本政府に」とは言っていないとか、何を今更言い出し始めたのか?こういう恥知らずの弁明が民主党代表らしいといえばらしい。おそらくこの岡田代表の弁についてもドイツ政府は呆れて否定することだろう。
これに懲りたドイツを見て、各国政府の指導者や閣僚の民主党議員との会談を避ける傾向が強くなることを望む。思えば、民主党政権発足から間もなくの原口元総務相がシリコンバレーのGoogle本社を訪問したときの対応がさすがに頭脳集団な企業であったと改めて感心している。バイス・プレジデント(直訳では副社長だが実際は日本での部課長クラス)が対応し、日本の大臣の訪問とはいえ、エリック・シュミットCEOでもなく、創業者のラリー・ベイジ氏とサーゲイ・ブリン氏の二人が出迎えるでもなかった。戦略的には重要ではある日本市場ではあっただろうが、その総務大臣がどういう人物なのかを良く理解しているようだった。ドイツ首相の場合は日本の最大野党の党首との面談を断り辛いという事情はあったのだろう。これは日本の有権者にも責任がある。民主党に多数の議席を与えている現状は、こともあろうか外国政府にも迷惑をかけているということを今回の岡田代表の嘘によって痛感した。更なる民主党議席減少と最終的にはゼロ議席という流れを国民も努めていかなければならない。
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