前にもこのブログで触れたが例の蓮舫議員の「2番じゃダメなんですか?発言」以来、本当にミジンコは具合が悪い。
こんなに人のトンデモ発言に萎えることがあるのかと自分でも意外な気もするが、これは大袈裟ではなくてShe made me sickな状態。
正直、自分が人生を賭けて取り組んでいる技術開発を根底から否定する国会議員がいたことに怒りというよりかは失望感が大きい。
どこの政党とかどの宗教を信じるとかそんな括りは置いておいて、日本の国会議員がこんな程度の認識なのかと、将来は自分の国になるかもしれないアメリカへの貢献に比重を置いたほうが得策だということを痛感するに今まだ日本人として踏ん張っている身には非常に精神的に辛い状況。
ノーベル化学賞受賞者の野依良治さんは「不用意に事業を廃止・凍結を主張する方々には、果たして将来、歴史という法廷に立つ覚悟はできているのか」と述べていたが、まったくもってミジンコも同意見。
ただなにが悔しいかって、おそらくこれだけ言っても仕分け人たちは、事の本質を理解していないであろうこと。
なんで科学者たちが呆れ、そして怒っているのか、今この時点でも理解していないと思う。
これを理解するほど彼等は研究開発に従事したことがないのだから、この怒りを理解することはできないはずだ。
科学技術を推進することってのは自分の中である決断をすることでもある。
人生を賭けないととても取り組めないことなのだから。
結果が出るか否か、それが10年後なのか20年後なのか解らないことを続けることは本当に苦しい。
ミジンコの場合は投資している立場ではあるのでまだラクなのだが、これでも精神的には本当に苦しい。いつまで払わなきゃならないか解らない支払い、それも巨額な支払いを人は何年続けられるのか?という話。
幸いミジンコの場合は研究者たちの努力が実って大抵のプロジェクトは結果が出ているか先行きが明るいものが多い。それでも人生の多くのことを諦めて取り組んでいることが多い。バカンスの夢を見ながら今日も出張で飛行機に乗るといった日々。
よく考えるときがある。自分が「や~めた!」と言ったらどうなるか。結果が解っているから一度も言ったことがない台詞だ。
気軽に映画作ればいいのにとか、ゲーム作ればいいのにとか言われると本当にへこむ。そりゃもう作れる金はある。
それをどこに使うかで脳から汗が出るほど悩んで結局は技術開発を取っているだけのことだ。機関投資家などから集めた資金が50億円あったとする。
そこで映画を作るべきか、技術革新をするかもしれないVB(ベンチャー事業)5つに10億円ずつ投資するかの選択ってことなのだ。おそらくその5つのVB、2年後には追加の資金調達が必要になるVBばかりだろう。4年後には4つは安値で売却。5年後には1つも残っていないかもしれない。
それでもやる価値を感じるから延々とやっている。
今年は1つの技術革新を達成。世界的なニュースになった。とてもとてもとても薄く高性能な素材の開発に成功。これで太陽光発電機器は安くなる上に消費者が電気会社に売る分の電気量も飛躍的に伸びる。作るのに8年かかった。8年前にはどうなるかわからなかった上に、一度経営が危うくなって投資家一同大損をした案件。どのくらい吹き飛んだかというと200億円超。それをたった数社のベンチャーキャピタルがかぶった。
そして出た結果が「まだやろう」だった。更に100億円くらいの追加投資。もう全員で心中といった気分だったが誇りを持った負け戦なら恥ずかしくはないだろうという開発企業と投資家の一致した意見だった。
2番でどうのなんてレベルの話ではない。今まで無かった技術を作るか死ぬかってな状況になるのだ。
仕分け人たちの場合は、歴史という法廷に立つ覚悟があるのか否かという段階にすらいなかったように思う。
覚悟をする以前に、先ずは知らなかったということなのだと見ている。もっとストレートに言えば勉強不足。
同じ知らないでも、少しでも事前に勉強をしていれば蓮舫議員や枝野議員のようなモノ言いにはならなかったはずだ。
彼等はスパコンの開発競争がどういうものなのかその基礎すら掴んでいない言動だった。
なぜなら彼等は世界第5位のスパコンも10位のスパコンも最初は1位だったことを理解していない。
実はミジンコ、いや実はと言うほど隠してもいなかったか、世界の誰もが知っているような有名コンピューター企業のスパコン部門の元責任者たちと先日会ったばかり。フランス在住の著名な回路設計者とも最近頻繁にやり取りしている。
この件については日本に多大な恩恵をもたらしたいと考えての行動だったのだが、その矢先に、まさに矢先にあの「2番じゃ・・・」を聞いた。
さすがに気持ちが揺らぐ。去年のノーベル賞受賞者の4名の内2名がアメリカの大学に籍を置いていた。一応日本人ではあるもののアメリカに永住を既に決めていた博士たちだ。今は偉大な先人たちの気持ちが良く解る。
ちなみにミジンコも政治家に意見を言う場にお呼ばれしている。言ったところなにが変わるのか解らないし家で寝ていた方がマシかもしれないが、日本が沈没しそうなので言うだけは言ってくる所存。
まさか今もってなんで日本が科学技術を推進するべきなのかを説くことになるとは思いもしなかった。今自分が住んでいる国は本当にあの日本なんだろうか?
[8回]
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