ソマリランドという記事にてユニセフとは別組織である日本ユニセフ協会なる紛らわしい団体が、同団体の大使アグネス・チャンがソマリアを視察すると発表しながら実際にはソマリランドに赴いていることに触れた。
ソマリア視察と称してハルゲイサ(ソマリランド)に滞在することは全くもってソマリア視察にはあたらない。
そんなことは毎日新聞だってわかっているはずなのだが下記の報道をしている。もう報道と表現するには値しない内容だ。
<ユニセフ大使>アグネス・チャンさん、ソマリアを視察(毎日jp)
【ハルゲイサ曽田拓】ユニセフ(国連児童基金)の国内委員会「日本ユニセフ協会」の大使を務めるアグネス・チャンさん(54)が17日昼(日本時間17日夜)、視察のため、無政府状態の続く東アフリカ・ソマリア北西部のハルゲイサを訪れた。ユニセフなどによる難民キャンプの女性や子供たちへの支援の状況などを見て、23日に帰国する。
アグネスさんは98年の大使就任以来、イラクやスーダンなど12カ国を視察している。
ハルゲイサは「ソマリランド」と呼ばれる自治政府が実効支配する地域にあり、アグネスさんはこの日、ソマリアで使われるソマリ語の文字を教わるなど、現地の少年たちと交流した。
ソマリアでは90年代から内戦が続いており、ユニセフは「約360万人が人道上の緊急事態にあり、うち72万人は5歳未満の子供たち」と分析している。
言葉のマジックが多過ぎる。これではソマリアという紛争地帯を視察してアグネス・チャンが実情を把握したかのようだ。
実際に訪れたのはハルゲイサであってモガディシオでは無い。この違いは余りにも大きい。曽田拓なる人物は、毎日新聞の記者なのだろうか?フリーランスなのかもしれないが、彼はハルゲイサがどんな場所なのかを重々承知しているだろうに、それでもこのような記事を書いてしまったわけだ。ジャーナリストとしての良心の呵責は起きなかったのだろうか?
まぁ、写真は嘘をつかないということだろう。ソース元にある写真で少年と握手するアグネス・チャン大使、そして後ろに写るキレイな建物や壁、そして警備兵。
ソマリアでは先ず見かけない光景だ。日本ユニセフ協会も毎日新聞もここをソマリアとは言っているのだが・・・・。
日本ユニセフ協会の役員には毎日新聞出身者が何名も在籍している。募金団体と(ミジンコはそうは思っていないが)報道機関が結託すると、このような新聞記事が出来上がるという例として心に留めておきたい。
ご参考:
ソマリア:首都モガディシオに安全な場所はない(AFP 国境無き医師団)
本当のソマリアの難民キャンプの写真がご覧いただけます。
[29回]
PR