記事タイトルはコントでのワンシーンではない。国会の議事録に残る発言である。
信じ難いことではあるが、この原口一博は民主党政権発足時には日本の通信事業を司る総務省の大臣だったのだ。ここでも再び「試しに1度やらせてみればいい」は大きな間違いであったことを国民が痛感する事態だ。能力の劣る人材たちには「1度もやらせては駄目」、これに尽きる。
別にミジンコがわざわざ説明するまでもなく、Google Earthでリアルタイムに移動中の艦船の位置が判別できるはずもないことは皆さん共通の認識だろう。Google Earthはスパイ衛星のような機能はない。あくまでも撮影した衛星写真、つまり静止画をつなぎ合わせている都合上、数年前の写真のままのところも広大な範囲に及ぶ。あくまでも便利ではあるが完璧な画像型地図というわけではない。
ミジンコの場合は、Google EarthにしろStreet Viewにしろ、数年前の景色が楽しめるのでむしろこのその点が好きだったりする。日本やアメリカの自分の会社の周辺の写真を見るのが楽しい。特にアメリカの新興の工業地帯などはGoogle Earthでは砂漠の写真なものの今は大規模なソーラーパネル製造の工場地帯になっていたりして「みんなで街を作った!」と感慨ひとしおになるときも。こういうことは原口一博が思い込んでいるようなスパイ衛星では有り得ないことだ。
原口一博が総務大臣時代にGoogle本社を訪問していたニュース映像は今でも覚えている。迎えたのはGoogleの役員たちではなくなにかの担当VP(バイス・プレジデント)と彼の部下らしき女性スタッフの2名だった。日本ではVPを副社長と訳しているケースをよく見かけるがアメリカでは担当VPは実際には副社長という扱いではない。日本でいうとVPは担当部長だ。課長程度の扱いの場合すらある。なにかの部門の責任者という立場であって副社長という立場ではない。つまりGoogleは事前に民主党政権のことをよく知っており重要視していなかったということだ。CEOのエリック・シュミットでもなく、創業者のラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンでもなく、CTO(技術最高責任者)でもCFO(財務最高責任者)でもなく、VPが当時の総務大臣の面談に応じたのだ。
しかも原口一博が通されたルームは会議室にすら見えなかった。イスが乱雑に置かれている場所でなにかのディスカッションには利用されていた部屋だったのかもしれないが会議室とも応接室とも思えない環境だった。ここらへんもGoogleの対応はストレートだった。要は会議室を押さえておかなかったのだ。原口一博と日本の通信事業についてプロジェクターを背後に熱く建設的な議論をする可能性などGoogleは見出していなかったということだ。Googleには数え切れないほど訪れたが、あんな部屋で会議をやっているところを見たことがない。当時の原口一博がGoogle訪問というニュース映像を見て驚いたほどだ。Googleらしいとは思ったがそこまで相手にされていないことに気がついていない原口にも民主党政権にも呆れた。むしろGoogle社内で満面の笑みの原口一博を見てこちらが恥ずかしくなった。とことんまで軽視されていたことに気がつけ!ってことだ。
そんなGoogleの対応もこの原口発言を見れば責める気にもなれない。一応はGoogle側もVPを用意して面談の席は設けたのだ。その企業に対して原口発言こそが舐め腐っている。Googleの主力サービスのひとつであるGoogle Earthの基本中の基本すらも把握しないであのGoogle訪問から3年以上も過ごしていたということになる。これはGoogleに対しても失礼なことであるし、そもそも日本の恥だ。今時の国会議員、ましてや総務大臣を務めた人物がGoogle Earthをユーザーが自由に使えるスパイ衛星だと思っていたのだ。世界で何億人もが同時に使えるスパイ衛星なんてあるわけがないだろうに!
動画:
原口一博:
「私たちの政権の時にも、中国漁船の衝突事案がありました。あの対応を私たちは今もう一回振り返らなきゃいけないと思っています。そこで総理に伺いますが、私は、今の防衛省に、総理としてもですね、ちゃんとおっしゃいましたか?ちゃんと情報を自分に上げるようにと。
最高指揮官は小野寺さんじゃないんですよ。安倍総理なんです。安倍総理が、外交や安全保障や様々なところを司る最高責任者なんです。『なぜ自分に上げないんだ』ということをですね、強くおっしゃるべきたどいう風に思いますし、今回も運用がどうのこうのって、場所がどうのこうのって今言いましたけども、小野寺さんがいまある中で厳しい答弁をしていることは評価しますよ、しかし相手に・・・場所がもう判ってるじゃないですか。だってレーダー照射までしてるわけですよ。グーグルアースなんかで見れば判りますよ。日本の艦船がどこにいたか。で、隠さなくていいことまで隠し、出さなきゃいけないことを出さない」(以降省略)
[31回]
PR