ブログでお伝えしたように父の手術はおかげさまで良い結果に。7時間の予定のオペは9時間に及び、その理由は単純に度重なる手術で内臓の癒着した部分を離すことに時間を要したから。事前のシュミレーションでそれは予想されていて一流の医療チームの適切な対処に感謝。その分野では本当に日本最高峰の技術を要するチームにお世話になり、夜には父のレバー見学会まで開催していただき恐縮でござった。
一般人がそこ入っていいんかい?と思われる病院内の各所に担当の先生が連れていってくれるんだけれど、他の若手医師たちの「え!?」という反応。先生・・・・・そこに一般ピーポーを入れてよかったんですかい?(-_-;)
ミジンコのラフな格好が浮いていた。オペ着の人たちが数十人からいる場所。ミジンコとミジ母だけがピクニックに行くような服装。ワーイ♪
まな板に貼り付けられた○○さんの部位とか、タッパーに入った○○さんの一部とかを素通りしながら色々な説明を受けるミジンコ。あ、あの・・・・せ、先生・・・・・、ミジンコはスプラッター映画は大嫌いだけれど紛争地域では内臓さんを怪我人のお腹に戻して抑えたり、○○族の○○さんの体の一部をリュックサックに入れて急いで届けたりとかしたことあるんである程度の耐性はあるから大丈夫だったけれど、テレビ放送だと全編モザイクがかかるほどの光景だったんですけど!(涙)
母と父から摘出された癌と肝硬変を含んだレバーを観察。検査の後はこの臓器を研究用に寄付することを事前に父とミジンコでサインしておいた。オペでの技術の高さが伺えるキレイな摘出部位だった。日本屈指の医師の実力を垣間見た。そして・・・・・その父のレバーをちょっと美味しそうだと思ってしまった・・・・。はっ!自分は既にゾンビなのか!?
事前に見ていたCG画像の摘出予想の画像そのままなことに感動した。事前のシュミレーションが完璧だからこその手術の成功なのだろう。オペ前から戦ってくださった医療チームに感謝、感謝、感謝。日本の医療に必ずや恩返しをする所存。もう何年も病院経営をまたやって~、やるべきだ~と友人の医師たちに言われ続けているがちょっと気持ちが動いた。問題は採算性、つまり儲からなくてもいいが赤字にはならない総合病院の経営は途方もなく難しいのだ。MRIやロボット導入、屋上ヘリポートの土台と照明設置だけで数十億円は吹き飛ぶ。それをペイする方法が今の日本の医療制度では至難の業だ。実はTPPがこの問題の打開策ではあるのだが心情的にはまるで脅迫のように「助かる命」ばかりを盾にしてTPPを語るのは気が引ける。それをやってしまうとTPP反対派も意見し難くなる。ただ現実として先端医療機器はアメリカが先頭を走っており、その機器を処理する内部コンポーネントもアメリカの独壇場だ。それらが半額かもっと安く購入できるようになれば日本の病院施設は劇的に低コストで開設できることになる。そこにはどうしても期待してしまう。
で、途中数時間は仕事に行ったものの、ほぼ丸1日病院に滞在。夜桜がとてもキレイだった。手術のあとでは世の中の全てに感謝したくなり寒い日だったが上着なしで病院の周辺を早歩きした。あの瞬間は通行人の誰もの幸せを願ってなにを見ても楽しかった。そして長野の父の親族から電話。ミジンコに遠慮して夜に電話してきたらしい。前から容態が思わしくなかった叔母が父の手術中に旅立ってしまった。親族に自民党の政治家がいる家系だったので先日の衆院選を見られたことがなによりだったと誰もが口を揃えた。加えて自民党が大勝して驕る事をなによりも苦痛に感じる人だったのでそこは今後も皆で注意して見ていかなければならないと感じている。
集中治療室に移った父と1分ほどだけ面会。医療チームの邪魔になるし感染症や肺炎のリスクもあるので早々に立ち去った。そして叔母の通夜に向かった。親族がホテルを手配してくれていてラクチンだった。翌日の告別式ではミジンコとイトコ2名で受付係を引き受けた。ミジンコの家系は巨人族なので受付の男3名が全員180cm以上。なかなかの迫力・・・・って受付で威圧感出してどうすんだ・・・・・。父の大手術成功を告別式という場ではあるが素直に「良かった、良かった、叔母も喜んでいるはずだ」と何度も言われた。オカルトは信じないが叔母はいつも父のことを気にかけていたので助けられた気がしている。
まだICUにいて体中についたチューブが取れない父に叔母のことをいつ伝えるかが悩ましいところだ。伝える係は満場一致でミジンコに決まっている。自分でも自分の役割だと思う。
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