IOC総会での日本の最終プレゼン、冒頭の高円宮家 憲仁親王妃久子殿下のフランス語と英語を混ぜたスピーチが素晴らしかった。ミジンコは仕事でしょっちゅう渡仏しているのでフランス語も英語ほどではないが分かる。本当に美しいフランス語と英語だった。当たり前といえば当たり前なのだが聞き手がちゃんと聞き取れるフランス語と英語であることが日本の数々の伝わらない英語スピーチが続いていたので新鮮だった。その後、相変わらずの英語スピーチの数々。
この記事でも述べたが、英語が堪能ではない人が無理に丸暗記で英語のスピーチをしても聞き手に対して優しくない。
そしてこの人のフランス語によるスピーチ。最終候補地の3都市とも大きな問題をかかえていた今回は、最終プレゼンで決めるIOC委員の票数はかなり多かったことだろう。その状況からしても、この人が今回の東京招致のMVPだろう。
左右のおじさん二人のことではない。真ん中のお茶目な女性がMVPだ。プレゼンでIOC委員の心を掴んだことは疑いようのない素晴らしいプレゼンテーションだった。終始自由自在に話すことができるフランス語で臨んだ判断も適切だった。IOC委員はフランスは勿論のことアフリカ諸国などフランス語を母国語とする委員が多い。完璧に扱える言語でプレゼンに臨む、これはスピーカーの最低限のマナーであるが東京の招致委員会はそのことを全然守っていなかった。
世界一安全で落し物の財布が中身が入ったままの状態で届けられること。交通機関も世界一充実していること。そういう海外の人からしてみれば「信じられないほど安全で便利」なことを訴えたことも大きい。それをこの笑顔で訴えれば票はかなり動いたことだろう。
滝川クリステルさんは最も巨額な経済効果を生み出したニュースキャスターということになる。こういう女性がつい最近ニュース番組を降板し、カミカミでまともにニュース原稿も読めない局アナウンサーたちがバラエティータレントのように振る舞う日本のニュース番組事情ってなんだかおかしなものだ。テレビ離れというやつも納得がいく。
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