消費税増税が10月1日に安倍総理から発表されるとほとんど全ての大手マスコミが報道している。そういう発表が官邸からされたわけでもないでしょ?安倍総理の口からもそのようなことは発表されていない。それでももはや「確実なこと」として本日10月1日に消費税増税が発表されることとなっている。
う~ん、そりゃさすがにそれを誤報とまでは言わない。どの方面に探りを入れてみても消費税増税の可能性が大だと聞いてきたこの1ヶ月だ。かと言って大手マスコミの一斉報道はいったいなんなんだろう?最近、やけに安倍総理が失言を繰り返してもマスコミはむしろ擁護しているような感じさえする。以前はカツカレーを食べただけで叩いていたというのに。
おや?官房機密費が渡ったということか?その事実は確かめようがないが機密費を受け取った報道機関が一気に政府擁護に傾くのは日本の歴史を見れば明らかだ。日本の報道機関はマスゴミなどと呼ばれてしまうほどにジャーナリズムを執行する機関としての信用は皆無であり、ある意味分かりやすい組織でしかないのだ。
おいおい、そりゃないだろう。消費税増税という庶民を苦しみ抜かせ企業をこれでもかというくらいに踏みつける増税案がスムーズに進むために元は税金である官房機密費が使われているのだとしたらこんなに国民を裏切った行為はないぞ。安倍総理が今日、消費税を増税しないという英断を期待している。もし消費税がマスコミの言うとおりに今日8%に上がると発表されるのであれば、安倍政権は税金を使ってマスコミを動かし世論を「消費税が上がっても仕方なし」と誘導した上で増税をして日本の景気を悪くさせた戦犯となる。
たった5兆円程度の経済対策や法人税減税をやったところで消費税増税で得られるであろう税収はせいぜい8兆円とのこと。前回の消費税増税でも法人税が激減したというのに今回の増税でどこをどう判断して国の税収が増えると見込んだのだろうか?もはや算数レベルの計算だ。5兆円使って法人税減税と消費税不景気による法人税の減収でマイナス3兆円ならば消費税増税してもトントンということになる。実際はマイナスだろう。国民は消費税増税分で生活が苦しくなるだけ。企業は法人税が減税されたところで景気が冷え切ってしまって儲ける機会も市場も損失する。
浜田宏一内閣官房参与(イェール大学名誉教授)は安倍総理に乞われて経済ブレーンとして内閣参与に就任した。浜田参与は来年4月の消費税増税に反対している。景気が上向きになってからの消費税増税でないとアベノミクスは失敗する、せめて1年遅らせないとならないと考えているからだ。安倍総理が消費税増税を来年4月に施行するというのであれば、経済ブレーンとして招いた浜田参与の意見を聞くだけ聞いて結局は最初から決めていた増税をするということだ。今の安倍政権に招かれた参与の方々は錚々たる顔ぶれであるのだが、もし外向けのパフォーマンスのようなかたちで参与の方々を招集したのであれば失礼極まりない話だ。
ノーベル賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授(コロンビア大学)は都内で行った講演で「消費税は消費を冷やす悪い税金だ」と指摘した上で「日本政府が目指している来年4月の消費増税は時期尚早だ」と延べ二酸化炭素の排出量に応じて課税する環境税の方が税収UPにつながるとアドバイスしていた。その通りだろう。
世界屈指の経済学者のお二人は来年4月の消費税増税に反対なのだ。ところが経済をどこまで理解しているのか甚だ疑問な安倍総理は最初から消費税を上げたい官僚たちのアドバイスを受けて消費税増税を決断するかもしれない。こんな馬鹿げたことはない。どうせ消費税を上げられるのならばイヤミのひとつも言っておこう。経済分野に於いての問題で、人類でも有数にアタマが良く経済学に人生を捧げてきた経済学者2名が反対していることを安倍総理という経済を勉強しても理解はそれほど深くはないであろう人物が断行すること。これほど愚かなことはない。名宰相は全ての分野に精通しているわけではなくて専門分野の天才たちのアドバイスを素直に受けて政治判断に活かしたからこそ歴史に名を残しているのだ。ただ消費税増税をやった首相として歴史に名を残したいのならばもう安倍総理を止めようがない。ただし!それは名宰相の決断とはほど遠いものであることは間違いない。
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