前方を飛ぶ機体は米軍のKC130、給油を受ける大型ヘリはCH53E。ハンヴィーという装甲輸送車を2台ずつ吊り下げている。このハンヴィーは東日本大震災の時にも米軍が支援活動で使用。装備によるが2.5トン弱の車両2台、合計5トン弱を大型ヘリだと運べるのだが途中で給油がないことには長距離では燃料がもたない。この問題を抜本的に解決しているのがオスプレイ。輸送能力も航続距離も既存の大型ヘリよりも大幅に上がったオスプレイならば途中の給油の必要なく長距離飛行が可能だ。安易にオスプレイ反対を唱える、そういう自由もこの日本ではあるのだが垂直離着陸ができる輸送機や垂直に車両や物資を降ろすことができる機体についての解決策を提示してくれる反対派に会ったことがない。
大災害発生時に多数の大型ヘリに空中給油を行いながら輸送車や重機を運ぶにはどうすれば良いのか?事は一刻を争うのだ。どんどん救助隊を運び、一刻も早く瓦礫を撤去して埋もれている要救助者たちを救いたい。最初の72時間が勝負だ。
オスプレイという現状ベストな解決策があるというのにどうしてこの地震頻発国・日本ではここまでオスプレイを嫌う人々やマスメディアが存在するのかずっと疑問だ。せめて反対派は代替案を提示して欲しい。「オスプレイよりも迅速かつ長距離の輸送に対応できる方法」をだ。大型ヘリの空中給油リレーをして沖縄から東北まで米軍に駆けつけろというのか?空母をすぐに派遣しろってことか?東日本大震災のとき、米軍はすぐに空母ロナルド・レーガンを東北沿岸に派遣して海上輸送拠点としてくれたがそれはあくまでも米政府がそう決断してくれたからだ。今度の震災のときに他の地域での有事や空母の改修の時期と重なり、米軍が空母の派遣を躊躇したらどうするというのか?そもそも空母は足が遅い。震災時にすぐに被災地沿岸に駆けつけることは簡単なことじゃない。
これを残念ながらというべきか悩むが東日本大震災のときに最も迅速かつ効果的に救援活動を最初に展開したのは日本の自衛隊ではなく米軍だ。自衛隊も全力を尽くしたことは分かっているが米軍の動きは明らかに速かった。仙台空港の瓦礫を半日で撤去して空港機能を回復させたのは米軍だ。空路の重要なハブが回復されたことでその後の救助活動にどれだけの恩恵があったことか、その仙台空港の機能回復を急いだ米軍の判断は明らかに適切だった。
瓦礫の下で救助を待つ人たち、すぐにインシュリン注射を打たないと危ない人たち、小さい子供や妊婦さんたち、寒さを耐えられそうもない老人たち、そういう人々が誰に助けられたって結果的に命が救われればそれでいいじゃないか。次の震災のとき、オスプレイは確実に活躍する。そういう高性能な機体なのだ。既に日本には米軍のオスプレイがあり、自衛隊ももうすぐ17機のオスプレイを得る。今度の大災害時の救助活動は昨年フィリピンで行われたオスプレイによる迅速な輸送支援が期待できる。今は沖縄で勤務するオスプレイのパイロットである米軍の大尉が東北大震災のときに自分とオスプレイが既に日本にいればと悔しがっていたことが嬉しかった。そういう思いでいてくれるパイロットがいることは頼もしい。
大型車両の輸送は非常に困難なのだ。大量の人員輸送もそんなに簡単な話ではない。ましてや地震で被災地では長い滑走路が使えないといった状況の場合は機体は垂直離着陸ができるヘリやオスプレイのような機体に限られる。オスプレイが無くともオスプレイがあるときと同じくらい効果的な輸送手段を考えに考え抜いたがミジンコは思いつかなかった。そういう分野では自分で言うのもなんだが日本で屈指の経験と実績がある人間がそうなのだ。どう考えてもオスプレイ以上の輸送手段は存在しない。だからこそむしろオスプレイを執拗に攻撃する人々に問いたい。いや知恵を授けて欲しい。オスプレイ以上の効果が見込まれる災害救助、支援が可能な輸送手段をだ。もしかして反対派はそんなアイデアもないままにひたすら何年も反対を唱えているのだろうか?瓦礫の下、すぐに治療が必要な状態の身内がいても同じ言動ができるだろうか?そんなことは絶対にできないくせに代替案もなく、詳しくない、勉強不足を言い訳にオスプレイを安易に反対する人々はせめて次の震災時のオスプレイ以上の対策を提示するべきだ。
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