ケネディ駐日大使がなんと言おうがオノ・ヨーコさんがなんと言おうともそれを受け入れるに相当する理由がない限り日本がイルカ漁を止める必要はない。なぜ彼女たち、そして彼女たちの意見を支持する人々が日本のイルカ漁だけをこうまで批判するのか、その根源は追い込み漁が残酷に見えることではないと当ブログの管理人であるミジンコは見ている。日本の漁だけを叩くその根源は無知さだ。ほんの少しでも視野を広くし、ほんの少しでももっと勉強し、ほんの少しでも周囲から甘やかされないで人生を歩んでいれば、日本、そして
太地町(たいじちょう)のイルカ漁従事者の方々がその彼女たちの声でどういう目に遭うのか想像できたはずだ。敢えて言おう。無知は罪だ。無知であることを言い訳に他者を攻撃すること、これ程酷い行為はそうは無い。
イルカは人によってはかわいい生物だ。同時に人によっては食糧だ。1970年から開始された太地町のイルカ漁によって生計を立てている人々がいる。そのイルカを食べて貴重な動物性たんぱく質を得ている人たちもいる。網の中に入って魚を食べたり、網を破って漁そのものを破綻させるイルカを間引くことで漁獲量を確保できる漁もある。結局は動物を見るとき、その人それぞれの立場によって見方は変わるということだ。人によっては愛くるしい動物も人によっては食べ物だ。そうイルカも食べ物なのだ。
ケネディ駐日大使もオノ・ヨーコさんも自分たちが無知な分野について感情論で軽率に異を唱えた。前述のようにそこには本人たちにも悲劇とも言える甘やかされた環境が大きな原因となっている。ケネディ家、ましてやあのジョン・F・ケネディの愛娘の法律家としての資質を問えるアメリカ人なんていなかった。駐日大使に就任する前の段階からオバマ政権の民主党だけではなく共和党までもが腫れ物を触るかのように(就任前なので正確には違うが)この新駐日大使への厳しい質問を避けていた。同じく法律家でもある前任のルース駐日大使とはキャリアも実務経験も雲泥の差ではあるがそこを不安視すること自体がまるでタブーのようだった。今回の大使としてはあるまじき軽率な発言は本来ならば米国政府が対応するべき事案だがオバマ政権はなにもしない。大使が駐在国でその国の漁法や食文化を否定するという言語道断なことをしていても不問のようだ。選挙戦でケネディ一族に大恩あるオバマ政権ではなにもできないということを証明してしまった。アンタッチャブルな大使、そんな存在があって良いはずがない。
オノ・ヨーコさんは言葉は悪いが調子に乗ってでしゃばり過ぎだ。偉大なアーティストであったジョン・レノンの妻であるという肩書きは確かに知名度としてはとてつもない価値があるのだろうが、いったいなんの実力者なのか?なにやら意味不明な芸術活動やら突発的な政治的発言、数十年そんな印象の人物だ。日本のイルカ漁についてとやかく言うほど彼女には見識があるとは思えない。イルカ漁が日本の評判を下げていると彼女は主張している。果たしてそうだろうか?すべて相手の主張に合わせてどんな反対も受け入れることが正しい判断だとは思えない。相手が間違っている場合にもその意見を受け入れてその間違った判断に合わせるべきだろうか?否!そんなことはするべきじゃない。自国の漁法を否定して食文化を諦める行為の対価が日本の評判を上げることだって?冗談じゃない!毅然と日本は日本の主張を行い、その主張の正当性を世界に訴えてこそ他国は日本に敬意を示す。なんでも迎合する国なんて評判を下げるどころの話ではない。馬鹿にされ舐められて、次にはどんな要求をされることやら、想像するだけで恐ろしい。へりくだることが日本の評判を上げるなんてことは絶対にない。
世界の様々な国の食文化を見てきた。巨大なミミズを食べる人たちがいた。土壁の側面を削って穴を見つけミミズを引っ張り出して生のままチューチュー吸うのだ。貴重なタンパク源だ。ミジンコには想像を絶する食糧確保法だったがその食文化に敬意を払いたい。例えば我が家にはペットとして犬が2頭いるが同じ犬を食べる文化もある。それを猛烈に批判しているフランスの女優がいるがミジンコは彼女の主張はおかしいと考えている。自分が家族として扱っている動物を食糧と見なす人々がいたとしてもそれはその国の文化だ。それを否定することは傲慢な行いだ。勿論、自分では犬を食べようとは思わない。だからといってそういう食文化を根絶させようなどとは許されないことだ。感情論で他者の文化を否定しない。これはどこどこの出身だとかは関係なく世界人としての最低限の節度だ。
ソクラテスの無知の知だ。「知らないことを知っていると考えるよりも、知らないことは知らないと考えるほうが優れている」という考え方だ。ケネディ駐日大使もオノ・ヨーコさんも「イルカ漁は残酷なので即刻止めるべきだ」と考えている。漁の方法や狩猟方法、それに屠畜(とちく)についてそれぞれ残酷であるか否かの基準を明確に示すことができると彼女たちは考えているようだが実際は科学的にそんな「かわいそう・かわいそうではないのランキング」を設定する術はない。魚やエビも痛みや恐怖を感じるという科学者もいるし、イルカは実は会話によるコミュニケーション能力なんてなくてテキトーに鳴いているだけだとする研究者もいる。どれも完璧に証明されていない。そしてそれらの説を完璧に否定する研究結果もない。
イルカがカニやタコのような姿だったらここまで彼女たち、そして世界中の反捕鯨団体は日本を叩いただろうか?イルカがクモやサソリのような姿だったとしたらどうだろう?反捕鯨団体が犯罪行為まで犯してもスポンサーから資金調達ができ寄付を集められるのはイルカやクジラが人間に嫌悪感を抱かせにくい容姿であることが大きい。要はイルカやクジラを好きな人々は多いのだ。それは素直な感情だとは思うがとんでもなく差別的な発想でもある。太地町の沿岸で魚の漁を妨害するエイリアンのような姿のイルカがいたとする。その害獣を間引きしてもそれほど印象は悪くないどころか漁が応援されるかもしれない。イルカ漁批判とは所詮そんな程度のものなのだ。自分が好きなものが殺されるのはイヤだというのは素直な感情だとは思うが、その地に住んでもいない海外の個人個人の感情論で仕事を奪われ食文化を否定される人々にはそんな個人的な感情なんて堪ったものじゃない。
米国のものだけではないが原子力潜水艦のソナーが原因でイルカもクジラも大量に死んでいる。これは感情論ではなく既に検証されている。大地震があった後にクジラの大量座礁がニュースになるが、それは次の大地震の予兆などというオカルト的なものではなく、地震で甚大な被害を受けた国の周辺海域で米露中などの原潜がけん制行動を展開、多数の原潜によるソナー・ビーコンの影響でクジラもイルカも方向感覚を狂わされて死んでしまっている可能性の方がよほど高い。つまりケネディ駐日大使の母国でありオノ・ヨーコさんの今の母国でもあるアメリカ合衆国の原子力潜水艦もその海洋哺乳類の大量虐殺に加担している。しかもアメリカ合衆国の海軍はイルカを兵器として使う研究をずっと行っている。偵察活動などで機雷群の中をイルカで突破させようなどいうイルカを決死隊のように使う計画もあるようだがその件は「残酷」ではないのだろうか?イルカを殺すことについて「良い」と「悪い」があるかのようなことを言っている大使や超有名人の妻、いささか発言が無責任過ぎる。繰り返すが無知なことも時にはとても罪深いことなのだ。米国の駐日大使や米国でもっとも有名とも言える妻がアメリカ海軍の計画を否定する必要があるということだ。太地町だけを批判するなんて都合の良いことでは説得力が皆無だ。
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