日本オリジナルのゴジラ誕生の理由は水爆実験だった。愚かな人類が水爆実験を行いその結果としてゴジラという抗しがたい巨大で無慈悲なモンスターを生み出した。しかもゴジラは放射能を吐くのだ。核実験をした人類が放射能を浴びせかけられるという因果応報は核兵器への強烈なアンチテーゼとなっている。
ところがその設定が今度のゴジラでは変更(?)になっている模様。ゴジラが生み出されたとされる核実験は実はゴジラに対して行われた核攻撃だったとされ、その核攻撃をもってしてもゴジラを倒せなかったという新たな設定になったらしい。オイオイ、それってつまりは核兵器を肯定したいだけなんじゃないか?ハリウッド版がなんでも日本オリジナルのとおりにしろとは思っていないがこのゴジラの根幹ともいえる核兵器へのアンチテーゼを丸々取り除くことはゴジラ、被爆国日本、そしてゴジラ製作の動機とされている第五福竜丸の乗組員の方々への冒涜だ。
福島原発事故の遥か前にミジンコは海外で原発のリスクを語るときによくゴジラ誕生の理由を引用していた。海外の方々はゴジラはご存知だったがゴジラが水爆実験の産物であることは知らないことがほとんどだった。しかもあのゴジラが吐く青白い光線が放射能だということも余り知られていなかった。ただの炎やビームだと思っていた人々がほとんどだった。つまり当ブログで何度も述べているような核実験の落とし子が放射能を吐いて都市を破壊していくという核兵器へのアンチテーゼであるということは余り知られていなかったのだ。だからこそ「原子力発電所は動かないゴジラだ。」と述べたミジンコのスピーチはインパクトがあったようだ。核を制御できると驕った人類がいつかゴジラが吐く放射能のような痛恨のしっぺ返しを喰らう可能性はゼロとは言えないし、現にスリーマイル島やチェルノブイリで原発事故は起きたと主張し続けていた。
勿論、代替エネルギー開発に携わるミジンコのポジショントークと見る向きも少なからずあり、しかも当時はミジンコ自身も福島原発事故のような原発が大爆発を起こしメルトダウンをするような深刻な事故が起きるとまでは思っておらず、いくら前述の原発はゴジラだというスピーチをしたところで説得力に欠けていた。今は状況が一変して原発事故は起きるものだという認識が世界に広まった。無責任な即時原発ゼロ派と同類だと思われたくはないが原発を反対する人々が一気に増えた。そしてゴジラは愚かな人類が生み出した核兵器の落とし子ではなくなり、核兵器はゴジラを倒すための希望の兵器となった模様。納得できない。
作品のトレーラーを見る限り映画自体は相当に面白そうだ。最近のゴジラシリーズが失っていたゴジラへの「畏怖」が復活した感がある。人類の力では抗えないほどのまるで天災のような巨大な脅威こそがゴジラだ。
そんなゴジラのトレーラーやポスターを受けてゴジラファンがこんな比較画像を公開した。
巨大ロボットは「パシフィック・リム」のイェーガー。その左隣は「クローバー・フィールド」のモンスターだろうか?それらと比較するとゴジラの尻尾がこのサイズということらしい。でかっ!!!
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