ウクライナの政治的混乱を突いてロシア軍がクリミア半島に侵攻した。ロシアは軍事侵攻だとは認めないのだろうが今起きていることは明らかにロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻だ。ロシアとしてはクリミア半島に重要な海軍軍事拠点を有しているわけでウクライナの政治混乱によってそのいわば間借りしている軍港の機能に支障をきたしては堪らないという事情はあるのだろう。そして今回のウクライナの混乱でいっそその軍港を維持するどころかクリミナ半島ごと手に入れてしまえばそれに越したことはないということなのだろう。こうやってロシアは第2、第3のチェチェン共和国を作り出している。
ロシア軍が武器押収=静かな戦争、ウクライナ兵投降工作も―クリミア(Yahoo!ニュース 時事通信)
【モスクワ時事】インタファクス通信は2日、ウクライナ国防筋の話として、クリミア半島南部の複数のウクライナ軍施設にロシア軍部隊が入り、抵抗すれば 軍事力を行使すると警告した上で武器や弾薬を押収したと伝えた。ロシア側は半島のウクライナ軍の全拠点に「交渉官」を送り、投降を呼び掛ける工作も行って いるという。
プーチン大統領が1日夜、ロシア系住民の保護を名目にクリミア半島への軍事介入の方針を決定した後、戦闘発生は報じられていない。大規模な戦闘を回避するため、ロシア軍は「静かな戦争」を既に開始したもようだ。
クリミア半島南部スダクでは1日朝、ウクライナ空軍レーダー施設にロシア軍が「パトロール」と称して侵入。夜になって再び現れ、武器使用もあり得ると脅 して武器と弾薬の引き渡しを求めた。また、ロシア黒海艦隊が駐留する南部セバストポリでも1日夜から2日未明にかけ、ロシア軍がウクライナ海軍教育セン ターを占拠し、武器などを持ち去った。
ロシアの部隊が主権国家であるウクライナに侵攻してあろうことかウクライナ軍施設の武器・弾薬を押収したのだ。これは侵略戦争だ。ウクライナ軍はロシア軍に立ち向かったところで皆殺しにされることを分かっているので抵抗ができない状態だ。戦闘が始まってしまえば軍関係者だけではなくウクライナの国土が焦土と化し、国民の命が奪われる。もっともロシア軍の強さを理解しているウクライナ軍だからこそ今の状況での抗戦による結果が見えてしまうのだろう。
ミジンコの民間軍事会社は勿論のことこういった情勢を分析するチームを有している。なにしろロシア軍出身者が大量にいる会社なのだ。色々と見えてくることもある。そんなロシア軍に詳しい人間たちが口を揃えて言っていることは日本語として解りやすく言ってしまえば「(侵攻軍は)ヤバい」ということらしい。ふざけた言い方に思えたかもしれないがそのくらいヤバい装備であり精鋭が送られているということ。
国旗や所属部隊を示すものは一切身につけていないがロシアからやって来てロシア語を話す軍隊がどこの国のものかは言うまでもないだろう。最新式の迷彩服に高級なボディーアーマー(防弾装備)。トリガーへの指の置き方からしてこの銃を撃ち慣れていることが分かる。緊張感があるのにリラックスしているという相反する雰囲気を出している奴等はヤバいのだ。戦争を常に意識している軍ならではの兵士たちだ。
ウクライナ軍も住民もまったくの無抵抗だ。軍隊(ウクライナ軍)が軍隊(ロシア軍)に武器・弾薬を押収されるなんて状況はもはや占領されたも同然だ。さて普段は自衛隊がPAC3を配備する行為にデモ行進をする9条があれば大丈夫と称する連中はこのクリミア情勢についてはなんの見解も示さないのだろうか?普段は自衛隊や日本国民がPAC3やオスプレイという防衛手段を選択することも許さないとする彼等がクリミア情勢について沈黙を決め込むことは卑怯だ。戦争時、侵略された側の無抵抗によって領土そのものが奪われるやもしれない事態が今まさに起きているじゃないか!抵抗しなくともロシア軍はなんら手加減を加えるわけでもなくオバマ大統領の「主権侵害だ」という弁も無視して今この時もクリミア半島制圧を進めている。
戦争勃発時の無抵抗は国土を奪われた挙句に主権まで奪われるということだ。今後、クリミア半島にいるウクライナ人たちがロシア系住民たちにどういった扱いを受けるのかよく見届けることだ。ロシア政府がウクライナ人たちが無抵抗だったからといって優遇するだろうか?ちゃんと奪ったものを返し、全ての権利をロシア人と同じにするだろうか?9条信者たちはよく見ておくことだ。
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