サメとなにかしらのコラボはC級以下のモンスターパニック映画では数々描かれてきた。
「シャークトパス」はサメとタコが合体したモンスターが大暴れ。巨大なサメと巨大なタコの対決を描いた
「メガシャーク vs ジャイアントオクトパス」といった巨大モンスター同士の対決モノでもサメはワニやタコと並ぶ常連だ。今回はサメと竜巻のコラボ。竜巻に巻き込まれたサメたちは被害者とも思われるがその竜巻の被害者たるサメたちはなぜか空中殺法を駆使して人間を襲う。
アメリカでのテレビ映画ではあるので予算も少なくできることは限られていたのだろうがそれにしてもショボい作品だ。ラストでチェインソーを持った主人公が空から襲いかかるサメに丸呑みにされるものの中からチェインソーでサメを切り裂いて生還するといったこういう作品にありがちなトンデモ演出はあるものの作品全般からのスタッフと出演者たちのやる気の無さが伝わってきてつまらない作品が更につまらなくなった印象。
ではなぜ数あるC級作品からこの作品をレビューに選んだのかといえばDVDを再生してすぐに衝撃の事実があったから。ジョン・ハードが脇役で出演していたのだ・・・。80年代、90年代の作品で脇を固める名優として活躍していたジョン・ハードが歳をとって(現在69歳)、こんなしょーもない作品に出演していることにはいささか衝撃を受けた。しかも作品中での扱いも酔っ払いのセクハラ親父。バーから武器として持ち出したイスを駆使して女性をサメから救ったり、別の場面ではそのイスでクルマの窓ガラスを割って犬を救出したりもしていてその後の活躍も期待したが作品開始から30分後に・・・・・。嗚呼、空気読めないサメのバカヤロウが!(涙)
驚くべきことにこの「シャークネード」、そのあまりのくだらなさにツイートなどで大反響。既に続編の製作が始まっているのだそうな。主人公の元妻役で出演したタラ・リードは続編にも出演するそうでインタビューでこう答えている。
「みんなと同じくらいわたしもびっくりしているわ。ジョークのつもりで出たんだもの!
誰も観ないと思っていた。そしたらこんなに大きなことになってしまって、そろそろ静まるかと思っていたけど、『シャークネード』人気は衰えることを知らないみたい」(
シネマトゥディのインタビューより)
誰も観ないと思っていたって・・・・・。ここにこういう作品を網羅している人間がいるんだが・・・・・。まぁ、確かに普通の人生を送っていてこんな作品に1時間半も使ってしまうことが起きたらそれは事故みたいなもんだ。
サメが人を襲うシーンでは特に見るべきところもない駄作中の駄作ではあるのだが離婚の真実を的確に描いたシーンがある。まるでドキュメンタリーのようだ。
サメ竜巻で都市がパニックになっているところで主人公と愉快な仲間たちが主人公の別れた元妻と子供たちを心配して様子を見に行く。サメの雨が降り注ぐ中での決死の救出活動だ。
これが離婚の現実だ。命がけで別れた妻を助けに行ったところで門前払いをされていた。サメが空から降って来るので強引に元妻の自宅に入り込む主人公とその仲間たち。不法侵入でロスならば射殺されていてもおかしくない状況だ。
そして主人公は娘発見。その娘の最初の言葉が・・・・・
竜巻に爆弾を積んだクルマを体当たりさせてサメを街に拡散させた超馬鹿主人公ではあるがこの点は同情している。
[13回]
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