写真週刊誌FRIDAYの記事にいちいち疑問を呈していたらそれこそキリが無いのだとは分かっているが看過できない件について。
国家機密といえば大袈裟に聞こえるやもしれないが外務省職員がFRIDAYにベラベラとISILによる邦人2名拘束・殺害事件でヨルダンに派遣された中山外務副大臣や菅官房長官の言動、また外務省内で語られていたとされる会話などを同誌に語っているようなのだ。FRIDAYには「外務省職員」の弁としてしっかりと明記されている。いわゆるゴシップ誌がよく使う手の「業界事情通」だとか「関係者」だとかいう本当に関係各位の者なのかも怪しい曖昧な表記ではなく、外務省職員と記載されているのだ。これは由々しき問題だ。外務省職員、いわば国家機密を含めた情報を有する公務員がこういってはFRIDAYは怒るだろうが敢えて例えるならば「下世話な話題に終始しているエロ本」程度の雑誌に外務省職員でしか知り得ない内容をベラベラと喋ったということになる。この職員の存在が本当だとしたら懲戒解雇も已む無しだ。
FRIDAY誌に掲載されている内容の一部が
コチラのニュース記事でも掲載されている。全文では無く一部のみだ。それでも今回のISILによる凶行を利用して安倍政権叩きをしているマスコミ各社の一例がまたひとつといった感がある。安倍総理叩きのネタが尽きたのか、遂にはヨルダンに派遣され尽力した中山外務副大臣にまでその矛先を向けたようだ。さすがFRIDAYというべきか記事のオチとしてはアラビア語では「ナカヤマ」は「毎日セックスする」という意味になるのでヨルダンの官僚は苦笑していた
ようですと外務省幹部の弁として〆ている。アホくさ。「ようです」ってことはその様子を見たかのように伝えた当事者も確認すらしていないってことじゃないか。ヨルダンの官僚たちを馬鹿にするのもいい加減にして欲しいものだ。確かにアラビア語で「ヤマ」は「毎日」、「ナカ」は「性行為」だが、外国人の氏名についてそんな幼稚な理由で支障をきたす官僚なんていない。
FRIDAYの中山副大臣について掲載した「ヨルダンでぼんぼん放題」というタイトルの記事の冒頭で菅官房長官が「彼には荷が重すぎたか・・・・・・」と述べたとしている。外務省職員が「中山さんが、ヨルダンで機能していないようです」との報告を受けたときにそう言ったのだそうだ。事実だとしても、その官房長官の言葉はその場にいた者しか知り得ない情報だ。つまりFRIDAYにこの情報をリークした外務省職員がいるということになり、その人物が誰なのかFRIDAYは把握しているということになる。他にも中山外務副大臣が自身の事務所に連絡してコメを送って欲しいと要請していたこともFRIDAYは外務省職員からの情報として掲載している。外務省幹部、そして職員と複数の情報漏洩に加担した外務省の人間たちがいるということになる。この方が日本にとっては良い話ではないがよほどスクープだ。FRIDAYは何をしているんだ?外務副大臣がヨルダンに長期滞在となり日本食が恋しくなったこと(←いたって普通のこと)よりも、外務省内部に官房長官た外務副大臣の発言をリークする職員たちが何名もいることのほうが大問題だ。そこを突いた方がよほどジャーナリズムというべきものだが、まぁ、FRIDAYにそんなことを求めることは無茶ブリというものか。
結局、FRIDAYは、散々っぱら中山副大臣への罵詈雑言を並べた後に中山副大臣の事務所に問い合わせると、その回答は外務省を通じて行われたのだという。「指摘のような事実はありません」と。FRIDAYは延々と外務省職員のリークとして記事を構成している。外務省はその内容を否定している。どちらかが嘘をついているということになる。FRIDAYが一応は報道をしている意識があるのであれば、いやジャーナリズムの鉄則としてこの外務省の否定に対して同誌が正しいとする証明をしなければならない。それこそがジャーナリズムだ。外務省からの回答ではそんな事実は無かったとして〆るのではFRIDAYはあまりにも無責任だ。存在しない外務省職員たちをでっち上げたのならばそれも大不祥事であり、その責任をFRIDAYは取らなければならない。安倍政権憎し、よし今回は中山副大臣でも叩いておくか~では済まされない。嘘を並べての政権批判なんてジャーナリズムへの冒涜だ。
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