見ると朝からアタマが痛くなるテレビ朝日の「スーパーモーニング」。テレビ番組なので確かに電波を通じて放送されているわけなのだが、この番組の発する電波は違う意味での電波もあって、まともに視聴すると気が狂いそうになる意見に度々出くわす。その最大の原因は鳥越俊太郎。毎朝、公共の電波を通じて無責任な感想を述べる。ジャーナリストとしての分析と提言ではなくて、あくまでも感想。しかも勉強をしていない分野についてものらりくらりと感想を述べるものなのだから始末が悪い。
鳥越俊太郎は宮崎県で発生中の「口蹄疫」について番組中に「人に感染しない、食べても大丈夫。ならば、なぜ(殺処分など)そこまで厳重にするのか」と発言。
これが日本の自称ジャーナリストたちのレベルということか。空気感染するウィルスが日本の畜産業に壊滅的なダメージを与えるかもしれないという今このときに、こんな無責任な発言をしても許されるのだからジャーナリストとはなんとお気楽な商売なのだろう。
今、宮崎県の畜産業者、県の職員、農水省のスタッフたちが必死になって感染の拡大を食い止めようとしているその行為そのものに水を差すとは、この鳥越俊太郎なる男、あとで「知らなかった」では済まされないぞ!
最近はこういう後から「知らなかった」「勉強不足でしたすみません」が流行しているんだろうか?
首相からしていつもそういう態度なものだからって国民全員無責任になって良いはずもない。むしろ首相が馬鹿で無責任という危機的な状況のときにこそ、国民は気を引き締めて正確な情報取得と分析に務めるべきなのに、この鳥越俊太郎の現状を全く認識していない適当なコメントは許し難い。
今は泣く泣く家畜の命を奪って、どんなに耐え難い苦痛だろうとも感染の疑いのある肉は食べないで処分することが国内の畜産業が壊滅することを防ぐ最善の策だ。相手は空気感染するウィルスなんだ、当たり前じゃないか!
感情論に走っていい加減なことを言うべきときじゃない。万が一にも、いや相当な高い確率で感染した家畜の肉を食べた人間からもウィリスが伝染してしまう可能性があるのならば、そこは家畜の命を奪っても食べないという苦渋の選択肢を選ぶべきだろう。
鳥越俊太郎は宮崎県の畜産業の方々が泣きながら家畜を殺処分していることを知らないのだろうか?誰も食用にするわけでもなく丹精込めて育てた家畜を殺したいわけがない。それしか選択肢が無いからそうしているだけだ。この宮崎県の畜産業者たちの苦しみが結果としては他の都道府県の畜産業を救うことになると信じての今の殺処分だ。畜産に携わる誰が殺処分なんてことを受け入れたいものか。
日本にはジャーナリズムが無いという旨のことをブログで何度となく述べている。海外メディアの方が優れているといった短絡的なことを言いたいわけではない。どこのメディアにも一長一短はあるとは思う。CNNが優れていてアルジャジーラはダメなんてことは決してないのだ。
ただし、日本の大手メディアの場合、そういう議論の机上にすらあげることができないほどナイナイ尽くしなのだ。
ジャーナリストとしての自覚がない、中立性がない、分析力がない、取材力もない、ただの感想文を流しているかのごときニュース番組。おまえらの感想なんか知ったことか!ということだ。
鳥越俊太郎がもし自分をジャーナリストと称するのであれば、「肉を食べないのはもったいない」といった能天気な上に関係者の神経を逆撫でするようなことを言うべきじゃなかった。
事実として「なぜこのように被害が拡大しているのか?」「原因は?」「求められる対策は?」そういうことを指摘した上で断固たる決意で本来はジャーナリズムの根幹を成すはずの社会正義を追求するべきだ。
世の中を良くしようともしないジャーナリストはただの感想屋だ。なんの役にも立たないどころか風評被害の原因を作るタチの悪い存在でしかない。
さすがに日本人はそこまで馬鹿ではないと信じたいが「なんで食べないんだー?」なんていう疑問が鳥越俊太郎の発言の影響で広まらないことを願う。そういう無知さが必死で戦っている宮崎県の畜産業者の方々を殺すことになる。
[39回]
PR