このブログにも山ほど調子こいたタレコミ(←いつまで経っても止まらないので敢えてこう言っています)は来る。冗談みたいな話だが「裏を取ること」はこちらに丸投げして「こんなことがあったらしいですよ!」と鬼の首を獲ったかのような情報という名のデマが送られて来る。こう言っちゃなんだが調べる気すら起きないような話まで平気でしてくる人もいる。調べる気が起きないというのは調べたところで時間の無駄だと思うような内容ってことだ。「よくそんな話を信じられるな?」と半ば呆れるときがある。
尖閣問題のときに「中国船の乗組員が海保の職員を銛で突き刺した」と言ってきた人が何人もいた。ソースは無し。せいぜいツイッターで誰かが騒いでいただけ。それに釣られる人々。誰もその事については中国人船員に謝らない。海保の船に体当たりしたんだからどんなデマを流されても中国人は受け入れるべきなんだろうか?そんなわけないだろう。
最近の信憑性を疑った話だと「辻元清美とピースボートが物資を堰き止めて被災地に届かないようにしている」という話。ここをご覧の常連さんたちにはミジンコがいかに辻元清美とピースボートを忌み嫌っているかは説明するまでもないだろう。ただし、それと真実とデマを判断する作業は全くの別物。この物資堰き止めの噂、どこまで調べてもソースが個人ブログでの感想文の類いの記事やツイッターでのソース無しのつぶやきのみ。3週間も物資を堰き止め、更には「横流し」をしているという噂まで出てくる始末。そんな内容のことが各所で書き込まれ、その書き込みをまとめたYouTubeのこういった動画まで登場した。
動画の冒頭であるブログ(Yahoo!ブログだった(苦笑))の情報を基にしたもので「現時点では確定情報ではありませんが、面白い記事なので一応の拡散としてこの動画を上げました」とある。なんという無責任さ。よくもこんな事が平気で言えたものだ。つまり、なんの確定情報でもないですが、自分が勝手に面白いと思ったから動画を制作しましたってことだ。これ、言われている辻元清美もピースボートも犯罪容疑者として扱われているわけでたまったもんじゃないないだろう。ただでさえ、前科者が何人もいる組織なのだ。「面白いから」で容疑者扱いされては堪らないだろう。
これだけの長い動画の冒頭に「現時点では確定情報ではありませんが、面白い記事なので一応の拡散としてこの動画を上げました」とあるのだ。見ている人たちは最初の注意書きなんて忘れて全て事実だと思って覚えていく可能性すらある。どう見てもこれは信憑性が低いだろうという情報も巻き込みながら、結果的に今回の震災で辻元清美とピースボートは「物資の堰き止め」や「横流し」をしたという噂だけが拡散されていくわけだ。なにが拡散希望だ、無責任にもほどがある。辻元清美もピースボートも大嫌いだが、この「拡散」とやらはどうかと思う。これらの噂を流しているブログやツイート、そしてこのまとめ動画を見ても、自分たちの思い通りに物資を輸送し、ボランティア活動ができなかった人々の感情論となっている。「さっさと配れ!」と言うのは簡単だが、そういう人間に限って、どこから来たなにかも分からないものを配布するときの責任の所在には思いを至らせない。乾電池を「要請がない自治体には送らない」とした政府とは事情が違う。被災地で食糧や物資を円滑に配布することはそんなに容易いことではない。
今回の震災でもツイッターは優れた使い方を台無しにするほど酷い使い方、そうデマの流布に多用された。トラフィックを増やした上にデマを流しているんだから始末が悪い。災害時にはツイッターは危険なんだと思うと非常に残念だ。ツイッターを考案した人間はそんなことを望んで作ったわけではないというのに。
震災当日もドワンゴの社員がサーバの下敷きになった助けてくれとツイートしていた。これは嘘だった。心配したリツートの数々、救急隊員まで駈けつけたらしい。でも嘘。この嘘つき馬鹿はこの件で大バッシングを受けた後でも自分が無事だったんだからみんなホッとするのが先ではないか?といった趣旨の発言。馬鹿は死ななきゃ治らないというのは本当かもしれない。救急車1台が嘘で忙しくなったときに他の場所では脳梗塞で倒れた人が手遅れになるかもしれない。そういうことが想像できない馬鹿がツイッターを使う危険性を感じた。
更に勝谷誠彦は自身のメルマガでこんなことを書いて配信した。
一部抜粋:
信じがたい情報をいくつか。しかし決して「噂」ではない。
当初「行方不明」と言われていた福島原発の東電の職員は冷却装置を誤作動させたまま、
郡山市まで逃げていたという。そこで酒を呑んで騒いでいたところを目撃されてバレてしまった。
もちろんいま現場では命懸けの作業が続けられている。しかしやがて初動のこういう出来事はきっちり検証すべきだろう。
これにわかには信じ難いが有料メールマガジンでの内容なのだ。真実だとしたら大スクープだ。
しかしながら、真相は以下の通り。
東電社員2人の遺体発見 福島第一原発で津波被災か(asahi.com)
東京電力は3日、福島第一原発で行方不明になっていた社員2人が4号機タービン建屋の地下で遺体で見つかった、と発表した。
亡くなったのは福島第一原発第一運転管理部の小久保和彦さん(24)と寺島祥希(よしき)さん(21)。地震発生時には中央制御室にいたが、被害を確認するため、地下に行って津波に巻き込まれたとみられる。死因は外傷による出血性ショック。
2人は電源や弁の管理を担当しており、地震発生後に地下に下りたという目撃情報があった。地下1階にたまった水の排水作業や水素爆発による退避などが相次いだため捜索は難航したが、3月30日午後に発見された。
遺体は翌日回収され、放射性物質を落としたのちに発電所外で検視され、2日までに最終的に身元が確認された。発見から公表まで時間がかかったことについて、東電は「ご遺族や警察に連絡するなど時間がかかった」としている。
東電の勝俣恒久会長は「地震や津波に襲われながらも、発電所の安全を守ろうとした2人の若い社員を失ったことは痛恨の極み。二度とこのような悲劇を繰り返さないと誓い、事故収束に全身全霊を傾ける」とのコメントを発表した。
勝谷誠彦が、「冷却装置を誤作動させたまま、郡山市まで逃げてそこで酒を呑んでいた」と言っていた2名の職員は原発の被害確認のために中央制御室を出て津波にのまれて命を落としていたのだった。あくまでも当然の職務を遂行しようとしたわけなのだから、この2名の行為を東電会長の言うような美談めいたものにするつもりはない。ただし、21歳と24歳の若者が命を落としたことは本当に気の毒に思う。そんな2名に汚名を着せた勝谷誠彦の責任は重大だ。彼のメルマガの内容を信じ込んでしまった読者たちは、この2名に良からぬ感情を抱いたであろうし、この2名の若者の遺族たちはそのデマに悩み苦しんだことだろう。
さて、この勝谷誠彦の情報の出所なのだが、どうも個人が運営する
「二階堂ドットコム」というサイトらしい。(*とても重いサイトなのでなかなか開きません)ミジンコもつい先日知ったばかりのサイトなのだが、なんでも11年も裏の情報(?)らしきものを取り扱っているらしい。このサイトのいくつかの記事を読んだがなんの信憑性もない上にちょうど初めてみた当日が4/1のエイプリルフール、「東電に金をもらいましたので本日をもって当サイトは閉鎖します。」というタイトルの記事があった。これ4/1のUPであろうが東電が訴えたら完全に勝てる。
でもって、この二階堂ドットコムとやらの
3/20の記事にこんな記述があったのだ。(*リンク先の記事は重すぎて開かないと思います。↓内容は2011/4/3の時点で以下の通りです。)
■ 福島原発は本当に人災だった
最初に行方不明になった2名。報道にも「福島第一原発の技術者2名が行方不明」と最初出ていたので覚えている人もいるだろう。
あの2名は東電傘下のプラントエンジニア。この2名、なんと、津波後、原発の冷却装置を誤って操作したまま、さっさと逃げたという。しかも、そのまま郡山市内に逃げて酒を飲んでいた。
「俺たち津波にさらわれて行方不明になってるんじゃないか?顔つきで報道されたりして。アハハハハ!」
「もう放射能が大変で・・・ありゃもうダメだな」
そういう会話をしていたそうである。店の店員は「ヘンな二人だな」と思っていたそうであるが、やがておかしいことがわかり、当サイトにタレ込んで来た。現在裏取り中であるが、この2名が原発をほっぽって逃げた犯人なのは間違いないという。
しかも、呑気に刺身を食って酒を飲み、楽しく歓談していたという。名前を出せば、この二名は間違いなく殺されるだろうから、今のところは名前を出さないでおく(←と思ったが、小久保和彦・寺島祥希って出てたね)
この二人、運が悪い。だって、飲んでいた店は、実は俺の友達の店だから(笑)。しかもこの情報は、「横浜のマムシ」に掴まれているし、マムシがつかんでいることを警視庁も知っている。あーあ、もう逃げようがないね(大爆笑)。当日払った札に指紋がついてますから~。まさに「天網恢々疎にして漏らさず」だね。
いずれにしろ、大変な目撃情報をいただいた。これは東電を追及するのにいい材料である。表でやってもどうせ、マスコミの”電力マフィアに鼻薬かがされた連中”はやらない。しかも、裁判とかにかけても仕方がない。だったら、影の軍団の得意な方法でやってやろうと思う。
東電や保安院、そして民主党は、必ずこの事実を隠蔽するに違いない。最後、自殺ということにされて本当に死んでしまうかも知れないな、この二人。死人に口なしだもんな。
うーむ、日本のメディア使えないし、外国メディアにやらせるほうがいいのかな。いずれにしろ、あとはマムシの旦那に任せようか!
2011-3-20 18:57
自称コラムニストの勝谷誠彦は、この個人が運営するサイトの情報を鵜呑みにしたようなのだ。それで「決して「噂」ではない。」とメルマガで配信したわけだ。一見、物凄い裏情報のようだったがなんの裏も取っていない噂を「噂ではない」と称して拡散したわけだ。勝谷誠彦もこの二階堂ドットコムの運営者も無責任にもほどがある。
そして、この二階堂ドットコムの運営者は「自分が逃げ出して酒を飲んでいたと伝えた東電職員2名が原発で命を落としていたこと」について、
以下のような弁明をしている。
■ まだ生きている奴がいる。真相は・・・
東電の行方不明になっていた社員二人が死んだという。30日に、一人は水に浸かっていたのに死亡推定時刻がかっちり出ていて(3月11日の16時)、放射能は除染したという・・・30日にわかっていたのに今日まで発表を延ばしたのだという・・・
でも、これ、東電が発表しただけだろ・・・誰も見てない。福島県警がなぜその二人だけを死体処理したのかも謎だ。福島第一原発の周りには死体がたくさんあるのに。しかも、20日も水に浸かっていたのに死亡推定時刻その他がきっちり出るものかねぇ。「時計が止まっていたから」とか言う理由だろうな。水に浸かっていた死体の死亡推定時刻を、20日も前の16時なんて、そんなに厳密に特定できないだろう。「医師の話」と報道には出ていたが、それは誰か。借金はないか。検死官は関係者に東電がいないかなど、すべて疑う必要がある。なにせ、佐藤栄佐久が完全にはめられたくらいなのだ。佐藤栄佐久の娘は東電の社員だったんだぞ。それでも、原発に反対したからハメたのが東電だ。それくらいの会社なのに、たかが末端社員2名の話をここまで持ち上げるとは、おかしい。
ところで、4月11日の19時頃(←3月のまちがい)、郡山の寿司屋で、2名の福島第一原発の職員が酒を飲んでいたのは間違いない。これは「横浜のマムシ」が確認していることだ。で、肝心の二人の面割りだが・・・今はいわない。こういうふうになると、元の文章を読んでいないバカが謝罪だの何だのと叫ぶが、誰も断定してないのでまずよく読め。それに、元々東電の人間なんだったら、死のうが何しようが責任があるのが当たり前だ。そうそう、ツイッター上では”美談”になっているというが、そのツイッターの本当の出元は誰かなど、確認することはたくさんある。つまらぬ偽善心を人に当てる前に、まずは状況を読め。
はっきり言って、一報を聞いたこっちが驚いた。「もし行方不明の二人が郡山に来たのと同一人物なら殺されるんじゃないか」と思っていたが・・・該当人物なのか違うのかわからないが、目撃者の安全確認、身柄保護などもこちらは課題に入って来る。
それと・・・ネットで昨日今日うち関係のサイトを見て、しかもロクに文章も読まずに騒ぐどこのバカかわからん奴からのメールは見ないので、謝罪だの鼻毛だのしろって騒ぐのは2ちゃんねるででもやってストレスを解消しといてくれ。それと・・・ニュースをいちいちメールしてくる人がいるが、全マスコミが出しているような公開情報はもらっても見ないので送らないでください。
東電があれだけ嘘ついていたのに、なんで職員二人が死んでいた話は全部額面通りに受け取るんでしょうね。ほんと、みんなおめでたい・・・あの日あの店にいた二人は別人だったのか、だったとすればそれは誰か。いずれにしろ、指紋が残っている。ただ、捜査は難しいだろうな・・・
まぁ、この情報も「商流」というのがある。出元の意向もあるし、目撃者の命のことも考えなくてはならない。
仮の話だが、「いやぁ、処理しました。でも、金で済ましてください。殺しはしないから」といわれたら、みんなを説得してその話を飲むしかない。当たり前だが、原発にいる作業員なんてのは指がねえとか人殺しとか、そんなのの集まりだ。そいつらの中に跳ねっ返りがいたとすれば、関係者の命があぶない。狙われたら、警察なんて一ミリもアテにならない。みんなの命を守れる保証は何もない。
2011-4-03 14:11
3流推理小説も真っ青な内容だ。許し難いことはこの運営者は一度も2名の東電職員に謝罪の言葉を述べていない。自分が流したデマで故人も遺族も友人も職場の同僚たちも苦しんだであろうに、その点については一切触れずにサスペンス小説のような話を今もって話しているのだ。大体、「社員二人が死んだ」という表現が常識が無い。「亡くなった」くらいは言えないものか?
たびたび登場する中二病みたいな表現の「マムシ」ってのがなんなのかは知らないが、なんの証拠も出さないまま延々と妄想を垂れ流している。2名の東電職員をよくわからない理由で殺害したあとに日本で一番注目を浴びている場所に遺体を置きにいった黒幕がいるって言いたいらしい。こんなサイトの情報を鵜呑みにしている無垢な人々(←もちろん皮肉です)が毎度毎度このブログに来ては「ミジンコさん、こんな話があるんです!聞いてください!」なのだ。こちらの心労も少しは皆さんに伝わるのではないだろうか?
警視庁サイバーテロ課はこういったデマに対して今後毅然とした対応をしていくと発表している。是非ともそうしてもらいたいものだ。
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