秋葉原でのAKBのイベントはあの殺人未遂事件から1週間で再開。万世橋警察署の私服警察官10名が警備に加わっての再開だった。AKS(運営)側は警備員を増員し金属探知機も設置したが結局は万世橋警察署は警備に加わらないわけにはいかなったようだ。なにしろあれだけ注目を浴びている事件から1週間でAKBの本拠地とも言える秋葉原でのイベント開催だ。模倣犯やら愉快犯やらが出る可能性はあった。警察としては民間のイベントとはいえ、なにもしないわけもいかなかったのだろう。
その秋葉原でのイベント再開のニュースで初めてハイタッチ会なるものを知った。イベント終了後にアイドルたちと来場者がハイタッチをするらしい。そのハイタッチ会は中止ということを一連のニュースで知ったのだ。10代も含む少女たちと中年男性たちとのハイタッチの光景、う~ん、酷い。お金が発生するイベントが故のハイタッチ。この世の地獄だ(苦笑)
まぁ、ハイタッチ会のことは置いておいて、そもそも警察の世話にならなくてはならないような状況下ではイベントを中止することは企業側のモラルというものだろう。お客様を危険に晒す可能性が高く、警察の仕事を増やすようなやり方は先ずは「中止」という選択が最優先されるべきだ。儲け損なうだとか、イメージだとか、そんなことは企業側が負うべきリスクであり、そんなリスクを回避したいが為にスタッフのみならずお客様の危険を承知でイベントを開催するその判断は間違っている。そもそも回避できるリスクを強行してまで被害者ぶって警察の手間を増やすことも企業倫理としては最低の部類だ。延々と警察官が動員されることを見越してのイベントなんて到底看過できない。警察官の数は有限だ。どこかの警備に集中されるとどこかの地域が手薄になる。いわば警察機能の私用は公共道徳に反する行為であり犯罪助長にもなるということだ。
ここまで警察官のAKBイベントへの“運営側は要請していないとはいえ半ば強制の動員”を批判してきた。もうすぐAKB総選挙という例の大型イベントは中止検討もされなかったのだろうか?番組を担当するフジテレビでは連日大々的に宣伝しており、他のメディアでも最近はほとんど見かけなくなったAKBグループのメンバーたちが総選挙の宣伝活動に勤しんでいる。殺人未遂事件があった直後にその殺人未遂の対象となったアイドルグループの2日間で14万人も集めるイベントを開催するらしい。どうかしている。
「7万人に金属探知機チェック」AKB48選抜総選挙、混乱必至でも厳重警備を貫く運営の狙い(ライブドアニュース)
↑ここでも調布警察署の警察官たちが警備に動員されることに触れられている。味の素スタジアムがある調布市の調布警察署としてはなにもしないわけもいないのだろう。スタジアム周辺のパトロールを普段よりも増員する模様。
企業が避けようもない事故や事件で警察の協力を得るということならばまだ理解できる。警察も公共サービスのひとつという考えとすれば、企業であろうが警察の(納税しているので広義では異なるが)無償の協力を得る権利は企業にもある。しかしながら、わざわざ事件の起きる可能性が高いイベントを開催しておいて、後付けで警察も警備に参加していることをそのまま受け入れてイベント中止という決断は行わないイベント運営側の開き直りはまさに税金泥棒の類いだ。そりゃ警察としてはイベントを開催されてしまえば警備を強化しないわけにはいかない。警察が警備についての様々な要請をしているイベントは常識的に考えれば「警察は中止して欲しい」と考えていると捉えるのが大人の倫理観というものだ。「じゃあ、警備を強化しよう!警察もどうせ協力してくれるんでしょ?」なんて態度、冗談じゃない!
今もって総合プロデューサーと称する秋元康氏は殺人未遂事件についても数々のイベントが内包している危険性についてなんの声明も発表していない。その程度の責任感ということだ。そんな無責任な大人たちの狂気のイベントに7万人もの人間が集まり、ただの売上競争を総選挙と呼んで熱狂。まともな判断のできる人間が誰もいないイベントだ。警察を巻き込んでのこういうイベントが許されるのであれば今後も警察の私用について際限が無くなってしまう。基本、イベントの警備は民間の警備会社で事故や事件を抑止できる範囲で行うべきであり、民間では予想される事件を防げないような危険なイベントの場合は中止という判断であるべきだ。
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