コヴァチ監督の試合後にプレスに向けた暴言の数々:
「私は普段、決して審判員を攻撃することはないのだが、今回は恥ずべき行為だったと言うしかない」
「強盗に遭ったようなものだ」
「あれがPKならバスケの試合だ。バスケだったらあの種のプレーはファウルになる」
「恥ずかしいことだ。これはW杯の審判がするようなことではない。 彼はブラジルとクロアチアに対し、異なる判断基準を持っていた。我々を共通なルールでさばいていなかった」
「残念ながら、あの主審は素人同然だった。こんな調子が続くなら今大会ではPKが100本生まれるだろう」
この監督がこういう見解を示しているファウルプレーの瞬間が↓この通り。
サッカー経験者ではなくともこれがファウルだと分かるほど明らかにクロアチアのロヴレン選手(赤)がブラジルのフレッジ選手(黄色)の腕に組みついている。ゴール前でこのプレーが許されるのならばどんなストライカーもボールを触る前に潰されてしまう。だからこそ”サッカーでは”このプレーはファウルなのだ。
クロアチアの選手やファン、また一部のサッカー界の重鎮からも西村主審への暴言が飛び出している。その内容も相当に酷いものだ。サッカーは口ではなく足でやるものだ。ここまで言われっぱなしなのもどうかと思うので西村主審と同じ日本人という立場でというよりも長年のサッカーファンとしてこのクロアチア側の言動について感じることを述べたい。要はクロアチア側は過去の栄光を引きずり過ぎているのだ。辛辣な言い方だろうがそれが実際のところだ。もはやボバン、スーケル、ボクシッチ、シミッチと名立たる名選手たちが現役だった頃の強豪クロアチアではないのだ。ブラジルとの実力差は明らかであり、問題となった腕に組みつくようなファウルでないとブラジル攻撃陣を止められない状況だった。スコアの3-1以上にブラジルに圧倒されており、プレーの質だけではなくスタミナ面でもブラジルが遥かに上だった。そういう試合に苛立った監督をはじめとしたクロアチア人たちが主審を貶めるような発言を繰り返していることはサッカー関係者としていつか後悔することになるだろう。対戦相手ブラジルのエース・ネイマールやオスカルは若干22歳。まるで趣味を楽しむかのように余裕の表情でゴールを決めていた。その余裕はブラジル代表の場合はチーム内で行う練習の方がファウル無しでも厳しいディフェンスの洗礼を受けるからだろう。サッカープレーヤーならばプレーで語るべきだ。
前回決勝であたった優勝国スペイン(FIFAランク1位)とオランダ(FIFAランク15位)がなんと予選で同じブロック(B組)になってしまった。そこには南米の強豪チリもいる。もう1ヶ国はオーストラリア。スペインとオランダが同じ組、いわゆる死の組というやつだ。そしてオランダが5-1という大差で勝利。まだ予選ブロックの話ではあるが前回W杯決勝のリベンジを果たした。言うまでもなくスペインもオランダも世界屈指の強豪国だ。W杯本番でこの2国と同等の評価をされている国は優勝候補ブラジルなど僅か数ヶ国だろう。オランダは試合で強さを示した。さて、次にブラジルと対戦するときにクロアチアはどんな結果を出すだろうか?クロアチアが予選を突破すれば再びブラジルとあたるチャンスだってある。クロアチアがこれほど主審を侮辱した後でブラジルとの次の試合で惨敗したとしたらとても恥ずかしいことだ。負けることが恥ずかしいのではなく、まるで主審の裁定が異なっていればブラジルに勝っていたかのように振る舞っている国がまたブラジルと試合をやったときに再び大きな得失点差で敗北したとしたら、あの時(今)のあの大騒ぎはなんだったんだ?となるということだ。
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