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STAP細胞論文問題で、理化学研究所は1日、小保方晴子研究ユニットリーダー(30)が、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)での検証実験に参加するための1日の出勤を見合わせたと明らかにした。小保方氏から1日午前、理研に「健康状態が良くない」と電話があったという。
理研は、STAP細胞が存在するかどうかを検証する実験に、7月1日~11月30日の5カ月間、実験をビデオで記録するなど透明性を確保した上で小保方氏が参加すると6月30日に発表していた。
理研によると、検証実験チームは2日にも、小保方氏が加わった検証実験の流れや透明性を確保する具体的な方法について、あらためて明らかにする予定。(共同)
ソース元: nikkansports.com
もはや小保方さんの社会人としての常識が欠如した数々の言動やSTAP細胞の有無を語る段階は過ぎたようだ。今回の小保方さんの検証実験欠席についても言いたいことが無いわけではないが、それに使うエネルギーが勿体ないことであるし、彼女について話題にすればするほど半年前のSTAP細胞発見のニュースに喜んだ自分すらもなんだか敗北感のようなものを感じてしまいウンザリする。研究開発とは修羅の道であると若い研究者たちに説いている立場としては、今回の件からも学ぶところは多かった。研究開発は先ずは「人」なのだ。そんな基本中の基本を多忙を理由に忘れがちだがSTAP細胞の一連の騒動を見て改めて実感した。
実際、シリコンバレー界隈、サンディエゴ、テキサス州オースティンなどハイテク研究が盛んな地域では、いわゆる天才と呼ばれる研究者たちが佃煮にするほどいる。主席卒業だのその学部史上で最も優秀な成績だった人物なんて肩書きの研究者が集合しているような地域なのだ。ちょっと頭が良いというくらいだと目立ちもしない。それでもそんな地域から抜きん出た研究成果を発表する開発者はごく僅かだ。人類が未だ見たことがない難しいことにチャレンジしている人ばかりなのだから当然といえば当然。そんなに簡単に世界を変えるような発明は生まれない。小保方さんが世紀の発見をした人物であるのかどうか、もっと最初の自分の視点は甘くなかったかと反省している。前述のように天才たちを佃煮状態で見ているのに小保方さんにそんな天才たちの輝きを感じなかったというのに思い切って突っ込んで調べなかった。小保方さんの最初のマスコミ向けの研究発表を見れば明らかにその時点でおかしな点がいくつもあったというのにだ。おかしいと思っていてもSTAP細胞発見を疑えなかった自分もまだまだ甘い。自身が立ち会うプレゼンだったら、小保方さんのような甘い口調でプレゼンをやるタイプにはその場で質問責めにしてボロが出ないか確かめ本音の部分も出してもらう、それはもうベンチャー・キャピタリスト(投資家)の本能のようなものだというのに、テレビを通して見た小保方さんは大発見をした若き研究者に見えてしまった。怪しいと思ったらもっと疑うべきだった。それが咄嗟にできなかった自分にもガッカリだ。まさか後でバレたら世界を揺るがすような嘘、ましてや後で絶対にバレる嘘を人はつくはずがないという前提でモノを考えていた自分は甘かった。その「まさか」をやる人はいるのだ。
冒頭で述べたようにもはや小保方さんの今後だとか言動だとかに注目しても仕方がないということは今回の病欠で再確認することとなった。それでも今回の日本だけではなく世界でも報道されたSTAP細胞疑惑から改善すべきことは山ほど見つかるはずだ。小保方チームが作られ継続的に予算を与えられていたが故に理研の枠に入ることが叶わなかった研究者や研究チームは確実にいる。痛恨の極みではあるが納税者たちの大切な税金は流れ流れて小保方チームにも投じられている。本来、小保方チームが発足しなければその研究予算を与えられたはずのチームがあったはずだ。そういった無念にも弾かれてしまったチームが実は成果を上げた可能性だってある。今からでも小保方チームの解散を急ぎ、予算がもう流れないようにし、まだ見ぬ次のチームへより多くの予算がまわるように努めるべきだ。とんでもない話ばかりのSTAP細胞の一連の出来事ではあるが一矢、二矢報いることはあながち不可能なことではない。小保方チームが解散したからこそ出来た次のチームが日本に莫大な国益をもたらす研究成果を上げるなんて痛快なことも全くないとは言えないのだ。
理研にまったく問題がないとは思っていない。特に笹井副センター長に関してはもっと掘り下げて調査するべきだと考えている。小保方さんをあそこまで信用して後ろ盾になった理由の説明が今もって明確ではない。その事情によっては小保方さんや笹井副センター長への理研予算の不適切な運用をして賠償請求もあって然るべきだ。理研の全てを否定することも日本の為にはならない。かといって理研の今までが完璧な人事システムを有していたかと言えば断じてそんなことはない。技術立国日本の未来を考えれば理研は必要な組織だ。理研を応援しつつも体質改善を求める。このバランスが難しい。