元フジテレビ・アナウンサーであり現在はフリーとなっている長谷川豊という人物には心底呆れ果てている。元々、とても有名な滝川クリステルさんへの酷い表現からして、軽蔑の念を抱かずにはいられない人物ではあった。その後のフジテレビとの対立についても、いくらここ数年評判がすこぶる悪いフジテレビとはいえ、業務上横領についての降格処分は企業としては至極当然の措置であったわけで、その後の社名や人物名を変えてはいるものの、まるでフジテレビ関係者による陰謀説を持ち出している長谷川氏のブログなどでの反論についても、なんとも社会人としての最低限度の品格すらも持ち合わせていないような反論でそれも呆れた。もし長谷川氏への滞在費不正使用を断定したフジテレビの判断ならびにアナウンス部からの異動・降格がフジテレビ関係者による策略であったとするのならば、それこそ重大な犯罪であり、刑事告発するべきであるのにそういったことは一切せずに延々とネットで社内メールを公表しての反論では説得力に欠ける。そもそも社内メールを退職後にフジテレビの許可を取ったわけでもなく勝手に公にすること自体もどうかしている。
そんなことごとくが問題行動な長谷川氏なのではあるが、フリーになってからは注目されてナンボとでも思っているようで、いわば「逆バリ」の発言を頻繁に行っている。要はちょっと大多数とは反対の意見や変わった意見を言って注目されるというやり方のようだ。フリーなのだから注目されてこそ次の仕事につながるという必死さは分からなくもないが、今回の錦織選手の件については看過できない。
長谷川豊 錦織過熱報道に苦言(Yahoo!ニュース 日刊スポーツ)
長谷川氏の意見をまとめると、錦織選手は人生の半分はアメリカ合衆国で過ごし、フロリダ州にあるIMGアカデミーというテニス選手養成機関に在籍してそこでスキルアップしたのだから、本人は「日本人、日本人」だと思っていない可能性があるというのだ。この発言を一応はニューヨーク在住経験がある人物が言い放ったことにいささか驚いた。非常に珍しい発想に思えたからだ。海外にいるときの方が自分の国籍・ルーツを意識するものであり、勿論、日本人ならばアメリカにいようがアフリカにいようが自分が日本人であることを強く意識するものだ。
ひとつ思い当たることは、日本人で日本では通用していない人たちが海外で日本は住み辛いようなことを現地で吹聴する傾向があるということ。ありがちな台詞として「日本はゴミゴミしている」といった日本どこでも混雑説。「日本人はあくせく働いていて人生を楽しんでいない」とする日本人不幸説。外国人と結婚した自分を肯定したいあまりになんでか日本人に矛先が向くという日本人を選ばなかった自分は間違っていない説。どれもがまったく根拠もない上に適当な意見なのだ。日本でも空いているところはあるし、あくせく働かないという選択肢もあるし、別に日本人と結婚(同棲)しても幸せになれるのだ。ところが外国に住んだ瞬間から「日本のココが良くない!」と自分に言い聞かせて海外に住んでいるような変わった人たち、いわば日本にいても結構な確率で「ウザがられる人々」がその土地に住んでいる時間の割合だけを換算して「どっち側の人間か」を決めたがる傾向が強いように感じる。これが海外で散々変わった日本人たちを見てきた実感。勿論、そういう面倒臭い日本人たちを初対面で見抜いて海外で生きているので、ミジンコは快適に外国人として海外でも暮せている。ミジンコはいつでも日本が好きであるし、時間さえあればなるべく日本に住みたいのだ。対して海外にいるときも辛いかといえばそうでもなく、どこの国いようが楽しい。長谷川氏のようないちいち括らないと我慢ならないような性格の人間には理解できないことかもしれない。
さて、この長谷川氏、冒頭でも少し触れた滝川クリステルさんへの暴言は以下のとおり。当時はYouTubeで映像が確認できたので確かにこの内容を長谷川氏が述べていたことを覚えている。余りに不愉快な映像だったのでいやでも忘れられない内容だった。
フジテレビ長谷川アナの女子アナへの暴言がひどすぎる (NAVER まとめ)
「こいつ(秋元)も、あの、この間までやってた外人(滝川)より、ずっとうまいですからね。あの、ずっと、ちゃんと、あの、現場のこと、よく分かってますし、政治家も、まあ、僕はしょっちゅう行ってるけれど、僕に近いぐらい、あの、よくちゃんと取材もできてますから、よく勉強してますから。期待してください、こいつのニュースJAPAN、多分いいと思いますよ」
↑この「まとめ」に掲載されている他の女性アナウンサーへの発言の数々も初めて知ったが相当に酷い。よく横領の件が浮上するまでなんの処分も異動もないままでいられたものだ。むしろ降格処分は遅すぎる対応だったのではないかと思えるほどだ。
皆さんご存知のように滝川クリステルさんはメディアに引っ張りだこの状態。対して彼女を外人呼ばわりして、フジテレビ所属のアナウンサーよりも下手だと評した長谷川氏はフジテレビを降格の後で退職。皮肉なものだ。
さて、その滝川クリステルさんは日本で育ち、日本の大学を出て共同テレビに入社、その後、フジテレビの夜のニュース番組にていわばフジテレビの顔となったわけだが、彼女のことは「外人」と呼んだ長谷川氏の錦織選手の論評は矛盾している。学業も仕事もずっと日本だった滝川クリステルさんは外国人扱いだったのに、テニス留学をしていた錦織選手は日本人ではなくアメリカ人扱いでは矛盾している。これでは単に差別だ。IMGアカデミーを取材した自分に酔ってしまって「あの養成所サイコー!」と興奮した末に、単に日本人が活躍したのではなくてIMGアカデミーが錦織選手を輩出したのだと言いたかっただけのことだ。実際、錦織選手は日本で学んだことも大切にして日本での指導者の方々にも敬意を表している上でアメリカでの経験も大切にしてアメリカ人の指導者の方々にも感謝している。なんだかしゃしゃり出てきた自分の売り込みに必死なフリーアナウンサーが、勝手に錦織選手の気持ちを代弁するなんてとんでもなく迷惑な話だ。
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